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ペンギンぺぺの大冒険

ザブーン!!!
「新しい世界を知りたいんだ!!」

イラスト(目を輝かせた主人公と海で美しい世界の背景)


「ペンギンぺぺの大冒険」

おいしいみかんはいかが?
おいしいお魚も入ったよ!
ここは南の暖かい国。いつもいい天気で街の人はすごく愉快です。
イラスト(南国の自然豊かな絵と、海とみかんの絵)

ぺぺは遊ぶの大好き。
いつも泥だらけになるまで遊んでいます。

イラスト(主人公が泥だらけになっている絵)


「どうして海はあおいの?」
「どうしてみかんはおれんじ色なの?」

ぺぺはいつも何事にも興味津々。
いつも「どうして〜」「どうして〜」と毎日質問が止まりません。

今日は学校の日。
ぺぺはいつものようにいろいろ知りたくてしょうがありません。
「どうして鳥は空を飛べるの?」
「どうして雨の後に虹が出るの?」

そんなぺぺに先生はいつも言います。
「ぺぺ君、いいから早くみんなと同じようにしなさい。みんなから置いていかれちゃうよ」
イラスト(ぺぺを叱る先生。みんな同じことをしているほかの生徒)

ぺぺは納得しない様子で「はーい」と返事をするけど、答えが知りたくてしょうがありません。

「どうして質問に答えてくれないんだろう」
「どうしてみんなと同じにしなきゃいけないんだろう」

ぺぺが聞きたいことはどんどん増えていきます。
イラスト(悩んでいる主人公。沢山のことを想像している吹き出し)


ぺぺは学校が終わると、いつも海の近くへ遊びにいきます。
この日は少し遠い所まで行きました。
海の近くから見える隣のパタパタ島が気になってしょうがありません。
「パタパタ島には何があるんだろう?どういう人たちがいるんだろう?行ってみたなあ」
イラスト(海の向こうに見えるパタパタ島を眺めているペペの絵)


しかし、パタパタ島へ行くことは危ないので禁止されています。
ぺぺはいつもお父さんやお母さんからパタパタ島へ行かないように注意されています。
パタパタ島へ行かないように注意されると、ペペはもっと行きたくなります。


ある日、学校が終わってぺぺが海の近くへ行くとおじいさんが倒れていました。
「おじいさん!大丈夫?」
急いでぺぺがおじいさんのところに駆け寄ると、

「ああ、大丈夫じゃ。心配してくれてありがとう」
と言いながら、おじいさんは立ち上がりました。
イラスト(倒れているおじいさんとペペの絵)

「きみの名前はなんて言うんだい?」
「ぼくはぺぺ。ペンギンのぺぺっていうんだ」
「それはすてきな名前だねえ」
「おじいさんはどこに住んでるの?僕、送っていくよ」
「ありがとう、じゃあペペくんに面白いものをみせてあげるよ」
そう言って、おじいさんはペペをお家へ連れて行きました。
イラスト(二人で歩いている後ろ姿。)


「ここがわしの家じゃ。さあ、入って入って」
ペペはおじいさんのお家に入るととてもびっくりしました。

「すごーい!!秘密基地みたい!」
ペペは目をキラキラさせながら言いました。
イラスト(目の前に広がる世界地図や本や、プラネタリウムなど新鮮なものが盛りだくさん)

「ハハッ、秘密基地か。それはおもしろい。何か聞きたいことがあったら何でも聞いてごらん」

「ほんとう??」ペペは飛び跳ねながら聞きました?
「どうして星は光るの?」
「どうして虹が出るの?」
「どうして雨は降るの?」
「どうして・・・」

「ハッハッハッハ!ペペくんは本当にいろんなことに興味津々だねえ」
おじいさんは笑いました。
「笑わないでよ。いつも先生に怒られるんだー」
「ごめんよう、おじいさん、ペペくんみたいな子に会えてうれしくて。だいじょうぶ、おじいさんが全部教えてあげるから」
おじいさんは丁寧に質問に答えてくれる
イラスト(おじいさんと主人公が話す絵)


「ぺぺ〜、今日一緒に遊ばない?」
「ごめん、今日ちょっと用事があるんだ〜」
「最近、学校が終わるとすぐに急いで帰るけど、どうしたんだろう」
イラスト(主人公が急いで帰る背景で子どもたちが遊んでいる)


ペペは今日も学校が終わるとすぐにおじいさんのところへ行きました。
「おじいさん!!おじいさんはあの島に行ったことがあるの?」
「やあ、ペペくんいらっしゃい。ああ、行ったことあるよずっと昔にね」
「すごい!ほんとうに?あの島はどんなところなの?」
「すごく綺麗でこの街にはないものがたくさんあるよ」
「ほんとうに?僕行ってみたい!!」
ペペは目をキラキラさせながら言いました。
イラスト(目を輝かせる主人公)知らない世界を知る喜びを表す

「でも、、」
ぺぺは急に悲しい顔になりました。
「でも、お父さんやお母さん、学校の先生からも行ったらダメだって言われてるんだ。パタパタ島に行くのは危ないから」
絵16(悲しむ主人公の顔)


おじいさんはほほえみながら言いました。
「確かにあの島に行くには危険がいっぱいだよ。でもね、本当に行きたいなら行くといいよ。おじいさんが秘密の方法を教えてあげる。今度の満月の次の日におじいさんのところに来るといいよ」
イラスト(秘密を教えるおじいさん)


満月の前の日の夜、ペペはベランダで月を眺めています。
「お月さまってどうしてこんなに綺麗なんだろう」
これから始まる冒険にワクワクしながら、まんまるのお月さまをペペはいつまでも眺めていました。
イラスト(まんまるお月様を眺めるぺぺ)

次の日の朝、ペペのお父さんとお母さんは用事で出かける準備をしています。
「ペペくん、お父さんとお母さんは出かけるけど危ないことしちゃだめよ!」
「うん、僕いい子にしてるよ!」
「わかったわ、じゃあ行ってくるね」
お父さんとお母さんが出かけた後、ペペは急いで準備をしておじいさんのところに行きました。
イラスト(出かける両親と見送るペペ)


「おじいさーん!!僕来たよー!!」
「やあ、ペペくん。お父さんとお母さんには内緒で来られたかい?」
「うん、大丈夫!だけど、おじいさんが言う秘密の方法ってなあに?」
「実はね、満月の次の日にだけ、あの島に行ける道が出来るんだよ。そこならあの島に安全に行けるんだよ」
「本当に!すごい!どこから行くの?」
「あそこから海へ飛び込むんだよ」
イラスト(断崖絶壁を指差すおじいさん)

「ええ?あんな高いところから海に飛び込むの?」
「そうだよ、ちょっと怖いかもしれないけどそれがいい方法がなんだ」
「でも、僕ちょっと怖いよ」
「怖いよね。でも本当にあの島へ行きたかったら勇気を出して一歩踏み込むんだ!」
「わかった。ぼくやってみるよ」
イラスト(崖の上に立つぺぺ)

そういうとぺぺは崖の上に登りました。
ぺぺのひざは震えています。
「ぼくやってみせるよ」
「うん!ぺぺくんならできる」
「ぼく、新しい世界を知りたいんだ!」
そういうとぺぺは崖から飛び降りました。
イラスト(崖から飛び降りるぺぺ:表紙と同じ絵)

ぺぺは海へと落ちていきます。
それは一瞬でしたがぺぺにはとても長い時間に感じました。
「ザブーン」
イラスト(海に入水するぺぺの絵)

ぺぺは深い深い海へと落ちました。
そして目を開けるとびっくりする世界が広がっていました。

「なんて世界なんだここは!!」
イラスト(魚のトンネル)

そこにはお魚のトンネルがありました。
お魚たちは満月の次の日にだけこの場所に集まるのです。
普段は流れが速くて危ないこの場所も、お魚のトンネルのおかげでちっとも危なくありません。
そしてぺぺはついに隣の島へ到着しました。

「お魚さんたちありがとう。僕行ってくるね」
イラスト(お魚に手を 降るペペ)

「美味しいオムレツはいかが?デザートのジェラートもあるよ!」
「ここが夢にまで見た島なんだ〜。すごく綺麗なところだなあ」
その島の全てがペペにとっては初めてでした。
イラスト(綺麗な街並みとオムレツやジェラート)

「すごい、見たことないものばかりだ!面白いものばっかり。新しい世界を知るってなんて楽しいんだろう」
ペペは見たことないものばかりでとても興奮しています。
そんなペペに1羽のカモメが話しかけました。
「君、あまり見ない顔だけど、名前はなんて言うの?」
「ぼくはペペ。ペンギンのぺぺって言うんだ。君は?」
「ぼくはカモメのクック。ぺぺって聞いたことない名前だけどこの島に住んでるの?」
イラスト(ペペに話しかけるクック)

「いや、ぼく隣の島から来たんだ」
「え、隣の島から?どうやってきたの?」
クックはぺぺに興味津々です。
「よかったらいろいろペペの島について教えてくれない?」
「うん、いいよ。いろいろ教えてあげる」
そうして2人はたくさんのことをお話しました。
イラスト(いろいろ話し込む2人)

「ぺぺ、たくさんのことを教えてくれてありがとう。お礼にぼくがこの島を紹介してあげるよ」
「クック、いいの?ありがとう」
「いいよ、だってぼくたち親友だろ。さあ、ついてきて」
「うわあ、待ってよー」
2人はもう大の仲良し。一緒に島を冒険することになりました。
イラスト(一緒に走り回るぺぺと親友)

「ねえクック、どこまでいくの?」
「もうすぐだよ、秘密の場所を教えてあげるよ」
「秘密の場所?」
「そうさ。さあ、着いたぞ。ここが秘密の場所さ」
イラスト(カンボジアのベンメリア遺跡のイメージ)

「うわー、なんて綺麗な場所なの」
「すごいだろ?ここでよくかくれんぼをして遊ぶんだ。よし、次の場所へ行くぞ」
「え、もう行っちゃうの?」
「紹介したい場所がたくさんあるんだよ。ほら、急いで」
「待ってよー」
また2人は急いで次の場所へと向かいました。

2人は山の奥へと進んでいきます。
「すごーいこれはなんていうの?すごく綺麗」
「おお!これは珍しい。それは”願い草”って言うんだ。願い事をしながら花をフーって飛ばすと願いが叶うって言われてるんだ」
「そうなんだ。僕やってみる」
ペペはそう言うと思いっきり息を吸って願い草に吹きかけました。
「スゥー・・・フゥー」
すると願い草が空へふわりふわりと遠くへ飛んでいきました。
「ぺぺ、どんな願い事をしたの?」
「それは秘密!」
「えー教えてよ!まあいいや、じゃあ早く行くぞ!」
「あ、待ってよー」
イラスト(ぺぺが吹いた願い草が空に飛んでいく絵)

「ぺぺ、着いたよ。ここはオレが大好きな場所だよ」
ぺぺはその景色にびっくりしました。
「こんな綺麗な場所見たことないよ」
イラスト(中国の九寨溝のイメージ)

「パタパタ島にはこんな綺麗な景色があるんだね」
「そうだろ!この自然が島の宝物なんだ」
「本当に綺麗な島だね!もっとたくさん見たいよ」
「この島の人は本当にパタパタ島のことが大好きなんだ」
「本当に素敵な場所だもんね。あ、いけない。もうこんな時間だ。僕もう帰らなきゃ」
「もっと遊びたいけどしょうがないね。海まで送ってあげるよ」
「ありがとう!」
そう言って2人は出会った海まで行きました。

「クック、本当にありがとう。すっごく楽しかったよ」
「ペペ、俺も本当に楽しかったよ。俺たちまた会えるよな」
「うん、きっと会えるよ。だって僕たち親友だもん」
「そうだな!気をつけて帰るんだぞ」
「ありがとうじゃあね!」
ペペはクックと握手をして海へ飛び込みました。

「ザブーン」

綺麗な海に飛び込んだペペの目には涙が流れていました。

夜になるとペペのお父さんとお母さんが帰ってきました。
「ただいま〜ペペくん良い子にしてた?」
「もちろん、今日もたくさんのことを勉強したよ」
「それはよかったね。どんなことを勉強したの?」
「新しい食べ物とか新しい景色に新しいお花も知ったんだ!」
「たくさん勉強したんだね!」
「うん、僕たくさん勉強したよ」


ペペは部屋の窓から大きなまんまるのお月さまを眺めています。
「クック、僕たちはまた会えるよ。だって僕お願いしたんだ。また2人で世界を旅しよう」

そんなペペの隣を願い草がふわりふわりと月に向かって飛んで行きました。


いつもありがとうございます。僕は夢や目標に向かって努力する方をサポートしたいと考えています。皆様からの支援はレベルアップするための学習資金として使わせていただきたいと考えています。是非よろしくお願いいたします!!