Date Suikyoh

いままでアマプラのレビュー欄にせっせと投稿してましたが、Amazonが何を勘違いしたか…

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いままでアマプラのレビュー欄にせっせと投稿してましたが、Amazonが何を勘違いしたか、投稿にイチャモンをつけてきたので、嫌気がさしてNoteに引っ越し。

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『凌辱された女 リベンジパチンカー・アナザー』(2015)

脚本 友松直之 演出 奥渉 出演 東凛、徳元裕矢、佐藤良洋 https://www.allcinema.net/cinema/355753 いわゆるピンクVの1本である。きちんと劇場公開されたのかどうか。 正直、早送りでおいしい部分だけつまみ食いするつもりだったんだけど、ドラマ・パートも結構おもしろくて結局ほとんど全部観てしまった。戦う女の話は、男にとってもメソメソ女のウザい話よりずっと面白い。 ヒロインは悪徳パチンコ屋の一味に恋人を殺され、自分もレイプされて流産

    • 『金子文子と朴烈』(2017)

      演出 イ・ジュンイク 出演 イ・ジェフン、チェ・ヒソ、山野内扶 https://www.allcinema.net/cinema/366287 金子文子のことは、故・瀬戸内寂聴さんのエッセーで初めて読んだ。大逆事件に連座して死刑を宣告されるが、土壇場で無期に減刑された。すると彼女は、「人の命をオモチャにするな!」と叫んで恩赦状を引き裂いたという。 大逆事件というと、明治時代の幸徳秋水の事件が有名だが、大正時代にも起き、幸徳事件同様に官憲のでっち上げだった。大正のそれは

      • 『クローブヒッチ・キラー』

        演出 ダンカン・スキルズ 出演 ディラン・マクダーモット、チャーリー・プラマー、サマンサ・マシス https://www.allcinema.net/cinema/376442 アンチ・トランプ映画? 米中西部辺りの極めて保守的な中都市が舞台。そこでは信仰する宗教が異なると⎯⎯ていうか、キリスト教徒じゃないと、それだけで差別の対象になる。車の中に落ちていたポルノ写真1枚で、変態扱いされる。 主人公の少年の家庭では、食事の前に家族全員が手をつなぎ合って感謝の祈りを捧げる。

        • 『オフィーリア』

          演出 クレア・マッカーシー 出演 デイジー・リドリー、ナオミ・ワッツ、クライヴ・オーウェン https://www.allcinema.net/cinema/370302 フェミニズム版『ハムレット』 あまりにも有名な古典を、オフィーリアと王妃ガートルードの視点で読み直し。それは言うまでもなく、#MeTooムーブメントに代表される女性の権利意識向上と無関係ではあり得ない。女性の、女性による、女性のための読み直しである。オフィーリアのへの字口と険しい目つきがすべてを物語

        『凌辱された女 リベンジパチンカー・アナザー』(2015)

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        • 伊達酔狂の映画ノート
          8本

        記事

          『黒蜥蜴」

          脚本 新藤兼人 演出 井上梅次 出演 京マチ子、大木実、川口浩、叶順子 1962年 大映 https://www.allcinema.net/cinema/86421 日本浪漫派の死 三島由紀夫版『黒蜥蜴』は、薄田泣菫から三島へと続いた日本浪漫派が産み落とした鬼っ子みたいな作品だ。 日本浪漫派は、侘び寂びだの陰翳礼讃だの物のあわれだの、日本の伝統的美意識とは全く別の美学で成立していた。といって、西欧ロマン主義とも異なり、封建主義との対立、個人の自我の確立といった

          『こころ』

          脚本 猪俣勝人、長谷部慶治 演出 市川崑 出演 森雅之、新珠三千代、三橋達也 1955年日活 https://www.allcinema.net/cinema/136888 漱石『こゝろ』をプラトニックな同性愛文学と見る見方が50年代にもあったのかどうか知らない。しかし、同性愛に対する世間の認知が乏しかった当時に、文豪の名作の隠れた側面に光を当てる試みは、かなり大胆なチャレンジだったことだろう。この映画はそのチャレンジを遠回しながら、はっきりと分かる形で敢行している

          「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」

          https://www.allcinema.net/cinema/367638 アンチ・リベラル? 手控えのないバイオレンス描写がタランティーノの作風の一つだとはいえ、この映画は過激すぎやしないか。無断侵入してきたヒッピーの女を、顔がメチャメチャに潰れるまでブラピ扮するスタントマンが殴りつける。 シャロン・テートを殺害したマンソン・ファミリーに対して、タランティーノの怒りがそれほども激しいのだろうが、どうもそれだけではない気がする。『フォレスト・ガンプ』のロバート・ゼメキ

          「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」

          『銀平町シネマブルース』

          脚本・演出 城定秀夫 出演 小出恵介、さとうほなみ、吹越満 https://www.allcinema.net/cinema/385345 タナダユキや今泉力哉とともに、いま一番胸に響く映画を見せてくれる城定秀夫の22年作。 ピンク映画を撮る時の茶化したようなコメディ・スタイルと違い、じっくり腰を据えて撮っている。しかしどれほど悲惨な話でも、やはり一抹の軽みを失わず、どこか楽天的なのがこの人らしい。 どん底まで落ちぶれた若い映画監督が、田舎町の潰れかけの映画館主に拾わ

          『銀平町シネマブルース』