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食いしん坊で痩せ型のわたしが断食をして気づいたこと

コロナ禍だったからこそ行った断食

「1週間、断食に行こう」
夫に誘われたとき、正直驚いた。
夫婦共に食べることもお酒を飲むことも大好きで、わたしたちから食を抜くなんて考えられなかった。

わたしの周りに断食を経験した人たちは何人かいたし、「ファスティング」という言葉でおしゃれな人たちにも流行っているのは知っている。
興味がないことはなかった。
でも、1食抜いただけでも空腹感に頭が支配されてしまうのに、数日間食べないなんて想像ができなかった。

それに、わたしは連休があればすぐに旅に出るような性格なので、せっかくの休みや旅行を、美味しい食事とお酒なく過ごすなんて、考えられない。

でも今回のゴールデンウィークは、訳が違う。

コロナ禍で旅行になかなか行けず、外ではお酒も飲めない日々。
これはもしかしたら、断食には絶好のタイミングなのかもしれない。

「......いいよ、行こう」

二つ返事で、とはいかなかったが、わたしは夫の誘いを承諾した。

夫が断食に行こうと思った理由

夫は、友人が断食を経験し「人生が変わった」とSNSに投稿していたのを見たようだ。
しかも、既に同じ施設に共通の友人が何人も断食に行っていて、みんな絶賛しているのを見たことが、俄然夫の興味をそそった。

その場所がここ、「やすらぎの里」である。
(正直、ちょっと老人ホームのような名前だと思ってしまった。すみません。笑)

断食に行く数ヶ月前から、夫は大学院も仕事も忙しく、食生活の乱れと運動不足が祟って体重がかなり増えていた。
それだけでなく、頭が常に回転していて休まらず、わたしから見てもいつも疲れているようだった。

友人の投稿を見た瞬間、「これは行かなければ!」と直感したらしい。

断食前のわたしの体

夫は、夫婦で行ったら楽しめると思ってわたしを誘ったは良いが、わたしは痩せ型のため、断食はせずに健康的な食事をいただく「養生食コース」にしてはどうかと心配して提案してきた。

わたしは食いしん坊でよく食べよく飲むが、胃下垂だからか太りにくい体質だ。
だいたいBMIは17〜19程度。

BMI(Body Mass Index)=体重(kg)÷身長(cm)÷身長(cm)

〈日本でのBMIの基準〉
18.5未満:低体重
18.5〜25未満:普通体重
25以上:肥満

職業柄立ち仕事でよく動いていること、なるべく帰り道など歩くようにしていることもあるが、運動する習慣もほとんどなく、家で少しヨガをする程度。

でもコロナ禍でなかなか外出をしなくなったし、仕事量を減らしているタイミングだったこともあって家にいる時間が増え、家にいるとなにか食べたくなってついお菓子に手を伸ばしてしまい、今までの中では一番体重が増えてしまった。
BMI的には19.5程度で普通体重だし、服を着ていればあまり太ったことはわからないけど、お腹と太ももにお肉がつきやすく、鏡の前で太ったと実感する。

せっかく行くなら断食の効果を実感したかったし、夫婦で行くなら同じプログラムの方が良いだろうと思い、養生食ではなく断食のコースを申し込んだ。

断食によって得られるとされている効果

わたしは断食=ダイエットや体質改善のイメージだったが、やすらぎの里のHPによると他にも効果があるらしい。

1、内臓の休息
食べ過ぎ、飲み過ぎで疲れた内臓に休養を与え、内臓の機能を回復させる。
2、自然治癒力が高まる
断食のショックが自律神経やホルモン系、免疫系の刺激になり、本来持っている体の機能が目覚める。
3、食生活が改善する
味覚がリセットされ、素材の味がよく分かるようになり、食生活改善のきっかけになる。
4、身体の大掃除
余分な脂肪が燃焼し、むくみが取れ、体がすっきり軽くなる。
5、脳の疲労が解消される
頭が空っぽになり、すっきり爽快な気分になれる。
(やすらぎの里HPより引用)

ちなみに野生の動物は、体調が悪くなったとき何も食べずにじーっとして治すらしい。半信半疑ではあるけど、今回は家でやるのではなく施設でやる断食だからちょっと安心だ。

断食で気づいたこと

では、痩せ型の人が断食しても耐えられるものなのだろうか。ダイエット以外の効果も得られるのだろうか。
わたしはかなり痩せているわけではないけれど、やや痩せ型くらいの人達の参考になれば嬉しい。

断食の詳細なレポートは、長くなるので次回まとめようと思う。
結論から言うと、体調を崩した日もあったが、得られた気づきやメリットの方が多かった。今回は気づいたことを5つ挙げる。

1. 食事を摂らなくてもエネルギーが湧いてくる
ほとんど食べていないのに、1時間山の中でトレイルウォーキングをするのは余裕だった。
自然が多い場所だったこともあるが、なるべく歩きたいので1時間程度なら、どこへ出かけるにも臆せず歩くことを選んでいた。

2. 衝動的に食べたくならない
断食に行く前は、街に出たら誘惑が多くて絶対に食べてしまうと思っていた。
でも実際は、美味しそうなものを目にしても「美味しそう」とは思うけれど「食べたくて仕方がない」とはならなかった。普段はすることがないとつい食べたくなるし、旅に出たらご当地のものを食べたくなるのに。
一番大変だったのは、断食前の準備食のとき。断食前に徐々に食事量を減らしていくのだが、夫婦ともお腹が空いてイライラしていた。

3. 肌がきれいになる
毎日温泉に入っていたこともあるのだろうが、断食中は驚くほど肌の調子が良かった。
つるすべの極み。化粧のりも抜群。
乾燥肌で、ストレスがたまると痒くなりやすいわたしが一番感動したことかもしれない。

4. 睡眠時間は8時間で朝すっきり起きられる
普段は、特に疲れていなくてもなかなか起きられないことも多かった。
なんか動きたくないような気分と重さ。
断食中は自主的に携帯を預けていたし、22時消灯で朝は6時半にヨガなどのプログラムがあるため、自然と早寝早起きの生活になっていた。
だいたい21時ごろに眠気がやってきて、5時にはパッと目が覚める。
これを機に、8時間睡眠が自分には合っていて、心も体もすっきりした状態なら目覚ましがなくても自然に起きられることがわかった。

5. 食べられることにより一層感謝する
回復食が始まり、徐々に食べ物を口にするようになると、より食べられることに感謝し、味わって食べるようになった。
食に一層興味が湧き、どこからきた食材なのか、どのように作られたものなのか、調味料はどんなものが良いのかなど、たくさん考えるようになった。

夫婦で参加してよかったこと

今までは、例えば調味料を変えたとしても、夫はきっとその小さな違いには気づかないだろうし、気づかないところにお金をかけるのはあまり気が進まなかったので、安いものを使っていた。

今回はふたりとも食や健康に向き合ったことで、これからの日々の食や健康に関する選択がスムーズにできるような気がする。

もしかしたら一方だけ健康な食事に興味を持つと、夫婦の熱量の違いからすれ違いが起こるかもしれない。
食事は毎日のことなので、価値観がなるべく近い方がより楽しい。
そういったことから、夫婦で断食に参加するのはとても有意義だったと思っている。

常識だと思っていたことは、本当に正しいのか

今まで当たり前だと思っていたことが、覆された体験だった。
1日3食食べることが普通で、食欲がなくても、消化の良いものからなるべく栄養を摂らなければと思っていた。

でも動物は、体調が悪いときは何も食べず、ただじっとして体力を回復させる。
実際自分も、一度体調を崩したがそのあとすっきりとした。

今まで常識だと思っていたことは、本当に正しいのか。

絶対にこれが正しいと思わず、いろんな考えをもっと知って、受け入れていこうと思った。

ちなみにこの断食の後、ヴィーガンの食事にも興味が湧き、どんどん常識が覆る日々を送っている。

今はお肉も食べるし、ファーストフードもお菓子も食べてしまうことはあるけど、自分に合った選択肢を選んでいきたいし、いろんな考え方の人が否定されずに生きていけるようになればいいなと思う。

食をきっかけに生き方の気づきになってしまったが、それほど食は生きることに繋がっているなと実感した。

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