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作っているのはソフトだけではない:)

お題企画 #エンジニアでよかった が面白そうなので、私も自分のエピソードを紹介しようと思う。

私は現在、ニュージーランドのオークランドで、発展途上国向けの医薬品の管理システムを作っている会社に勤めて2年目になる。いわゆるITエンジニアだ。

弊社のソフトウェアは30カ国以上の発展途上国で使用されており、国によるカスタマイズやバグ対応、新しいIT技術をシステムに反映させることなどを主に日々の業務として行なっている。

発展途上国での人々の生活を豊かにする手伝いができるようなシステムを作っているということはとても誇らしいし、現地からたまに届くソフトウェアの使用レポートを読む度に、とてもやりがいを感じる仕事である。特に今年上旬からはCovid 19のワクチンプログラムの管理システムとして弊社システムがいくつかの国で使われており、接種率という目に見える形で世の中に貢献できているのはとても興味深い経験でもある。

これだけでもエンジニアで良かったな、と日々感じることは多いけれど、今年の初めに受け取ったある現地レポートにより、自分のやっていることはソフトを作る以上に、社会の仕組みも変えていく可能性があるんだな、と感慨を受けた出来事があったので今回はその話をしたい。

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弊社のシステムは、医薬品の仕入れから補充、棚卸し、温度管理、納品、病院での処方箋の発行などの機能を持っており、はっきり言って複雑である。入社したばかりの頃は、こんなに機能をなんでも詰め込み過ぎたら、ユーザーは逆に使いこなせないのでは?と感じることもあるくらいだった。

弊社システムを導入してくれた組織には、それを理解するためのトレーニングコースを設けており、終了後には修了証も授与している。
※この辺り、私はあまり詳しくないが、コンサルタントたちがアレンジしているようだ。

コンサルタントたちは現地からのリポートを社内のエンジニア達によくシェアしてくれるのだが、その中の一つに、南アフリカのとある国でトレーニングコースを修了した若者が誇らしげに修了証を持って写った写真があった。

若者にとってこのコースの修了はとても大きな目標の達成で、家族もとても誇らしく思ってくれた、と泣くほど喜んでいたらしい。

私たちのソフトウェアはMicrosoft ExcelやAdobe Photoshopのような世界的に有名なものではないけれど、導入している国では全国規模で使われているようなソフトなので、弊社のソフトを使えることがこの若者にとってスキルとなり、会社内でのキャリアアップや今後の転職にも有利になることがあるのかもしれない。

せっかく自分の技術を生かすなら人を助けることをしたいという思いから現在の会社で働き始めたが、ソフトウェアを作ることで医療インフラを助けるだけでなく、さらに人々にスキルを得るきっかけを提供し、キャリアアップにも貢献できるなんて思ってもみなかった。それを担っていることを嬉しく思った。

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以上が今の仕事をしていて感じたエンジニアでよかった経験である。

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