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引っ越し準備は難易度の高いものから

先週、ニュージーランドのオークランドから隣のエリアであるワイカトへ、引っ越しをした。

引っ越し準備期間は6日間。
エンジニアらしくGantt Chartで6日間をまとめ。

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日本に比べてニュージーランドでは家具付き物件も多いし、一般的に引っ越しの頻度も高いけど、それでも、去年はクライストチャーチからワイカトへ48時間の準備期間で引っ越ししたりと、私の引っ越しに関するスピードは驚かれることが多い。

では、なぜこんなに慌てて2度も引っ越しをしているかと言うと、昨年から長く続いているパンデミックの影響である。

2度目の引っ越し

1度目はニュージーランドが国を挙げての初めてのロックダウンに踏み切るタイミングだった。北島(片田舎)と南島間で遠距離恋愛をしていた私たちカップルだったが、私が専門学校の卒業を2ヶ月後に控えており、卒業後は一緒に住もうという話は事前にしていたこともあり、当時の彼(現・夫)は政府のロックダウン突入の発表の後、「こっちに来なよ」と言ってくれたので大慌てで準備をした。

2度目である今回、私が住んでいたオークランドはすでに8月18日から現在に至るまでロックダウン中である。昨年、仕事をオークランドで得て以降、私と彼(現・夫)は遠距離恋愛で週末のみ会うスタイルで生活しており、今年3月に結婚した後も週末婚を続けていた。かれこれ1年以上となっていたので、「そろそろ一緒に住みたいね」という話はしていて、夫の住むワイカトエリアで転職活動を始めようかなと思っていた矢先にロックダウンがスタートした。初めは7日間からスタートしたロックダウンが終わらずに、繰り返される延長宣言にかなり心が疲れきっていたところ、会社の上司が、夫宅から働いてもいいよ、と言ってくれたので引っ越し準備をして現在に至る。

2021年10月現在の状況

オークランドは一番厳しいレベル(レベル4)のロックダウンは脱したものの、まだまだ自由に外には出られないレベル3のロックダウンは継続中、一度ロックダウンが解除されたオークランドに隣接する一部の地域(引っ越し先のワイカト含む)もレベル3へ戻り、ロックダウン中である。

昨年10月からオークランドシティのアパートメント(日本で言うところの1Kマンション)に一人で住んでいた私は、終わりの見えないロックダウンに心が病み始めていた。朝起きて、そのままパソコンに向かい、仕事を始める。ZoomやLINEなどでのオンライン通話はほどほどにしていたけれど、気軽に外に出かけたりもできないし、出かけても生身の人間と会話をすることはほとんどない。一人暮らし自体には慣れていたけど、人に直接合わない生活がこんなにもストレスになるとは思っていなかった。加えて、毎週末会うのを楽しみにしていた夫に会えないストレスもなかなかのもので、電話やテレビ通話と空間を共有するのとでは大きな差があった。

オークランドのロックダウン7週間目にして、レベル3には新たなルールが加わり、制限付きではあるものの友人と会ってもよくなったり、公共の乗り物が使えるようになったりした。これは実は私のように一人暮らしをしている人からするとかなりの好転であり、実際に友達と3度ほど散歩に出かけたがとても良い気分転換になった。とはいえ、この新しいルールはとても緩く、ルールを守らない人やロックダウンなど終わったかのように振る舞う人も出てきた結果、1日当たりの新規陽性件数は減る気配がなくむしろ増えているので、レベルやルールがいつ変わってもおかしくない状況だった。

レベル3のロックダウン中のオークランドから他のエリアへの移動には制限があり、「引っ越し」による移動は許可されているものの、一番厳しいレベル4になると引っ越しも認められていない。

引っ越し元のオークランドと引っ越し先のワイカト、どちらかのレベルが4になってしまう前、もしくはエリア間の引っ越しに関する新たなルールなどができる前に引っ越しを済ませたい、という思いがあり、今回引っ越しを急いだ理由でもある。

引っ越し準備

私が住んでいた1 Betroomアパートメントは50㎡ある少し広めの部屋で、ベッドやソファ、冷蔵庫や洗濯機などは一通り揃っているFully Furnished(家具付き)な物件だったものの、それなりに物は買い足して生活していた。

1年で買い足したものは以下の通り。

・55 inch テレビ
・電子レンジ
・掃除機
・電気ポット
・掛け布団と枕4つ
・トースター
・エアフライヤー
・除湿機(小型)
・食器や鍋一式

そのうち、電子レンジ・掃除機・電気ポット・トースター・一部の食器や鍋一式については次の家では必要がないので処分することに決まっていたので、引っ越し業者に頼むほどの荷物ではないけれど、テレビがあるから一人では無理な量となった。ロックダウンにより夫がオークランドに来て手伝うという選択肢はないので、業者に頼む方向で手配を開始した。

今回の引っ越し準備リスト

・引っ越し業者の手配
・不動産管理会社への連絡
・電気・インターネットの解約
・不要品の処理
・荷造り/積載
・レンタカー手配(オークランドで借りてワイカトで乗り捨て可なもの)
・引っ越し先の賃貸契約書
・Covidテスト
・部屋の掃除

今回の引っ越しでの難点は主に4つ。

・アパートメントは11階だがエレベーターは10階までしかないので1フロアは階段で荷降ろしをしなくてはならない
・アパートメントの前の道路はオークランドシティ内の地下鉄プロジェクトにより大規模工事が行われており、自動車道は完全に封鎖中で路上パーキングできる場所はない
・オークランドから引っ越し先のワイカトまで、検閲ポイントがあり72時間以内に受けたCovidテストの陰性結果を提示する必要がある
・飛行機を除く、エリア間の公共交通機関は動いていないので、自分で運転してオークランドからワイカトまで行く必要がある

引っ越し作業自体に関することと今回のロックダウンによる影響によるものがあり、タイミングを計るのに苦労した。

引っ越し計画と作業

木曜日に上司から引っ越しへ許可が出たので、引っ越し日の目標を月曜日として色々手配を開始。

・引っ越し業者の手配(木曜日)
初っ端から計画が狂ったのがこれ。家の前の道路が工事中であるという話をすると、建物から50m以内にトラックを駐車する場所を私が提供する(探す?)必要があると言われて、これが本当になくて断念。一般車や小さなVanくらいなら近くはないけど停められそうなスペースは近隣の道路にあったものの、シティ内の路上パーキングは当日空いてるかどうかすら確約できないし、当日まで不安になるのは嫌なので計画を変更し、テレビだけ別で業者を使い、荷物の運搬は自分でレンタカーで行うことにした。

・テレビの引き取りを依頼(木曜日)
連絡したら翌日に引き取りに来てくれたけど、「パッキングもします」を売りにしてるわりにテレビをしっかりと包むような装備もなく来て不安たっぷりだったP社。とはいえ、引っ越し準備2日目(金曜日)でテレビを手放せたのは良かった。配送料は$375。

・レンタカー手配(オークランドで借りてワイカトで乗り捨て可なもの)(木曜日)
そんなに多くはないけど何社かあって、あまり比較する時間もなかったのでBargen Rental Cars社に決定。テレビの手配をした後なのでワゴンじゃなくても大丈夫だろうと判断し、TOYOTA Priusを長めに日曜日から水曜日まで3泊4日でレンタル。Covidのテスト結果がスムーズに出なかった場合なども考えて、月曜日の引っ越し目標から少し幅を持たせた。乗り捨て料$150と保険料、レンタル料含めて$360。

・不動産管理会社への連絡(金曜日)
実は元々、10月末で1年のリース契約終了に伴い別の家を探していたタイミングだったので、予定より少し早めに出ることを伝えるだけで良かった。家賃はリースの終わりまで支払ったけれど。

・電気・インターネットの解約(リース終了に合わせて事前に連絡済み)
電気もインターネットも引っ越し日ではなく、リースの終了日で解約を依頼。インターネットモデムの返送についての相談は継続中。

・不要ごみの処理
ニュージーランドには、家の前に電化製品や家具などを置いておくと欲しい人が勝手に持っていくという変な習慣があるが、アパートメントには通用しないのでビルの管理人さんに相談。ゴミ箱に入るものはなんでも入れてOKだと言われ(燃えるゴミ・燃えないゴミの区別がない...)、電子レンジのみ引き取ってくれることになった。本当は自分で粗大ごみの業者を手配しないといけなかったみたいだけど、ちゃんと使えるか聞かれたので管理人さんが使うのかもしれない。引っ越し日が決まる前だったけど、電子レンジはなくても生活は困らないので引っ越し準備2日目(金曜日)に手放した。
掃除機は引っ越しの直前まで使いたいので捨てるのは断念。他のものは少しずつ建物のゴミ箱がいっぱいにならないように日にちを分けて破棄。

・荷造り(金・土曜日)と車への積載(日曜日)
収納スペースが大きな部屋だったので、意外と箱に詰めてみるとたくさん荷物があることにびっくり。
出発は月曜日を予定していたが、上述の通り、家の前の歩道は平日は地下鉄の建設工事のため工事現場作業員の往来が激しくなる。そのため、日曜日の夕方に出発まで最低限必要な食料や生活用品を部屋に残して車へ積むことにした。
家から一番近い立体駐車場に車を停め、知人に荷物を運ぶためのカートを借りることができたので、3往復で全て積むことができた。今回はたまたま知人の会社で使っているものを週末借りることができたけど、この荷物を運ぶためのカートってどこで借りられるんだろうと思っていたら、レンタカー屋でカートのレンタルもしていた!私が今回使ったものは平たい台車タイプで便利だったけど、この写真にあるタイプのカートも無いよりだいぶ楽なはず。さらに段ボール箱や紐、緩衝材など引っ越しに必要なグッズも販売していて、次回の引っ越しために覚えておこうと思った。
ちなみにレンタカーの会社はBargen Rental Carsだけど、大型車レンタルなどを行なっているHIREACE社と同じ会社らしく同じ建物内に同居していた。

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・引っ越し先の賃貸契約書(月曜日)
木曜日に夫に引っ越しが許可されたことを話して、すぐに夫が住んでいるフラットのオーナーさんに連絡をしてくれた。夫が住んでいるのはワイカト南部にある田舎町の3LDKの一軒家の1室で、オーナーさんと二人で暮らしている。私もオークランドに移り住む前に半年ほど住んでいた家ではあるので、すぐにOKがもらえるものと思っていたが、親族のお葬式で日曜日まで戻らないと連絡があったらしく、これはどうしようもないので、大丈夫と信じて他の作業を進めた。とはいえ、この賃貸契約がないことには引っ越しが成り立たないので、引っ越し作業を進めつつとても不安ではあった。

余談だが、私がフラットに住むことはOKだけど、引っ越してきて2〜3週間で夫と二人で出て行かれても困る、とオーナーに言われたらしく、3ヶ月の最低居住期間と、退去4週間前の告知が契約書に盛り込まれた。フラットメイトに対してこの条件は違法らしいけど、とりあえず今回は他に手がないので条件を飲むことに。こういうところでオーナーの人柄が出るよなぁとは思ってしまうが、フラットに関するトラブルは本当に多いし、この辺りは別記事で書いても面白いかもしれない。

・部屋の掃除(土・日曜日)
荷物の梱包に合わせて、これ以上使わないゾーンを設定して部分的に掃除をしていく方法を取った。基本的には掃除機と拭き掃除。普段から掃除機をこまめにかけたり、キッチン周りも綺麗に保っていたため、特別なケアなども必要なく掃除はできた。

・Covidテスト(土曜日昼)
月曜日の朝から夕方までいつでも出発できるように準備をしつつ、出発から72時間以内のテスト結果でなければ意味がないので、土曜日の13時頃に予約なしでテストができるシティ内のクリニック・The Auckland City Doctorsへ検査をしに行った。

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特に検査待ちの列などもなく、到着後、氏名・住所・電話番号・検査理由などを紙に記入し、すぐに検査をしてもらえた。旅行用(エリア間移動)のための検査だと伝えたら、48時間から72時間以内に結果が出ると言われて帰宅。
前に自分が登録しているクリニックでCovidテストをした時は、検査後にも「検査しました」みたいなメールが来たけれど、今回のクリニックは特に何もなし。月曜日の朝になっても結果が来なかったので、電話番号が間違っていたのでは…と思ってクリニックに電話してはみたものの、電話番号はあってるから、もう少し待ってみて、と言われ、そのまま月曜日は結果が来な買った。
月曜日の夜はほとんど空っぽの部屋で過ごし、火曜日の朝、72時間の期限はその日の13時だったので、朝早起きをして部屋を最終チェック+簡単な掃除をして部屋を完全退去。車も会社近くの駐車場へ移動し、オフィスで働きながらCovidテストを待つことにした。クリニックに電話して、今日の昼までに結果が必要であることを伝えたら、週末を挟んだために時間がかかっていると言われ、Lab(検査所)に優先リクエストを出してみるとも言ってもらった。さらに念の為、再度テストを受けておくことにし、9時半頃に2度目のCovidテストをしに同じクリニックへ。オフィスに戻ってきてソワソワしながら仕事をすること30分、やっとNEGATIVEの結果が!

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今気づいたけど、9日に受けたのに10日に受けたことになってる。

ちなみに、火曜日に受けた2回目のテストの結果は日付が変わってすぐの水曜日の深夜に届いて、土日を挟むと結果が出るのにかなり時間がかかるのは本当みたいだ。

Good bye オークランド、Hello again ワイカト

Covidの結果が出たことをオフィス内にいた上司に伝えて、仕事用のディスプレイを車に運ぶのを手伝ってもらい、そのままワイカトへ出発した。

オークランドのシティから、検閲所のある場所までは45分程度。

まだ3時間あるから大丈夫と思いつつも、運転中はドキドキしていた。検閲所に到着すると、警察官からオークランドから出ていく理由を聞かれつつ、車に荷物がぎっしりなのを見て「引っ越しだよね?」と言われ、そうであることを伝えると、Covidのネガティブ結果のテキストメッセージと賃貸契約書の提示を求められた。運転免許証も提示して、5分もしないくらいのやりとりで無事に通してもらえた。

そこから夫の家までは1時間半程度。早く安心したいという思いで、運転を続け無事に到着したのは火曜日の昼過ぎ。

荷物をさっと全て降ろして、ハミルトンまで車を返却しに行き、引っ越しは完了。

オークランドにはこのロックダウンが落ち着いたら仕事の都合でちょくちょく行くことにはなるけど、住むことになるとしてもずっと先のことになりそう。


コロナに振り回された引っ越し劇、
最後までお付き合いいただきありがとうございました。






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