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春のにおい

季節のにおいって空気の温度や植物の香りだけでなく、
思い出と深く繋がっている気がする。

今週、急に春のにおいをぶわっと感じた。
私が思い出したのは、高校卒業から大学入学の時だ。

志望校を複数回受験して、やっと合格を手に入れた日。長い年月がたっても、その日付を忘れることはない。
入学まであまり時間がなかったけど、新生活のために初めてパーマをかけたり、ショッピングをしたり、新しく出会う人々はどんな人達だろうと想像するのは、とてもワクワクした。
正直、大学生活はそんなに楽しかったとは思っていなかったのに、入学式に並んで写真を撮ったこと、桜並木の下を歩いたこと、人が溢れた大学の色を今でもありありと思い出せるのは少し不思議だ。

歳を重ねると、ガラッと生活が変わることが少なくなった。
また、良くも悪くも、色々なことに「期待」をしなくなった分、
純粋なワクワクを感じることもなくなったように思う。
私にとっては、自分の生活や心を守るためには、とても大事な成長だったと思っているから、それが悲しいことだとは全然思ってないけれど、
「もう手に入らない何か」を振り返ると、少しだけ痛みを感じるみたいだ。

最近、心ない人の心ない言葉を見聞きする。
私は意志が固く、頑固だけど、同じぐらい傷つきやすい。
人の言葉に悲しくなったり、怒り狂う自分にとても疲れているし、
こんな感情的な自分は嫌いだと思うこともある。
けど、季節のにおいを感じる自分を好きでいたい。

不安定な日々が続きますが、毎日果てしなく続く生活の一つ一つを重ねていきましょうね。

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