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嘘のエッセイ

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架空の体験を書くエッセイ集。
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#小説

忘れられない幸せ

雪が降らないまま冬が終わった。それでも夜は寒くって、外に出るのにコートとマフラーは必需品だった。水溜まりが凍らなくても、耳が痛くなくても、暖かいものが恋しくなる。

なにを食べようかな。

わくわくする。僕は幸せを探しに、バスへ乗りこむのだ。



飲み屋街は閑散としていた。人はまばらで、誰も深く酔っていないように見える。点々と光る提灯が寂しい。例のウイルスは意地悪だなとおもう。今日はコロナビー

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