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⑳「どん底ホームレス社長が見た闇と光」

義妹夫婦の生活費

 時を同じくして、前妻の妹のご主人が仕事中に事故に遭い大怪我で、仕事ができなくなってしまいました。個人事業でしたので、それで収入が途絶えてしまったのです。妹は小さな子ども2人を預けて仕事に出ましたが、それだけでは生活費の足しぐらいにしかなりません。親子4人で生活する費用、病院費用等、全く足りなかったのです。

 そこで、前妻から「妹夫婦の生活費を毎月、援助してもらえないか?」と頼まれました。両親の家の借入金を返済している私としては断ることもできず、毎月20万円を援助することにしました。両親と妹夫婦への出費が重なってしまったのです。会社が順調な時でしたので、当時としては、たいした出費ではありませんでした。それで妹夫婦が助かるならば、いいと思っていました。

 それも、私の会社が持ち逃げ詐欺に遭って、当然、捻出できなくなってしまいました。そんな時、やはり聞こえてくるのは、私が悪いという声です。困っている人のために善意でやっていたことなのに、お金が無くなると人は世話になった人にでも罵声を浴びせるのですね。まるで利用する価値がなくなったらポイとゴミ箱に捨てるように

 私は、今まで困っている人がいればできるだけ手を差し伸べようと考えてきました。騙されたことも多々ありました。しかし、助けた身内から「金の切れ目は縁の切れ目」のように扱われるほどつらいものはありません。人間不信になるのも無理はありません。助けてもらっていることが、当たり前になることが、一番恐ろしいことなのだと思います。

 そんな自分に嫌気がさしてしまうこともありますが、それが勉強だと思えるようになると救われるようになります。自分が幸せになるのだという強い気持ちを持てば、未来は開けてきます。私も一時は希望も無くしてしまいましたが、こんな未来を作りたいと思い浮かべるようになると、またやる気も出てきました。

 人を信じられなくなること程、つらいものはありません。自暴自棄に陥ることもあります。しかし、この人は信じてみようと思える出会いは必ずやってくると私は信じています。自分の未来図を思い浮かべてみると、一人では生きていけないことが分かってきます。

 
思ってもみなかった夢の実現

 いつかは、こうなればいいなぁって思うことは誰にでもあります。私もぼんやりと思っていたことがあります。今までは情報を受ける側でしたが、いつかは発信する側になりたいと思っていました。ブログは8年間、毎日書き続けていましたが、メディアで発信してみたいと考えていました。

 すると私のブログのファンという男性から連絡がきました。その連絡は、「出版社の者ですが、本を出版しませんか」というものでした。最初は、まさかという思いがありましたが、出版社に出向いて初めて本当だったのだと気付きました。本を出版して、仕事仲間から出版記念パーティーを開催してもらったりしたものです。次はラジオで話してみたいと思っていましたら、FMラジオ局から連絡が。「ラジオに出演しませんか」と言われてビックリ!!想像していたことが現実に叶ったのです。それ以後、ラジオには定期的に出演させて頂いています。

 友人にこんなことも話していました。「今度、テレビ局から出演依頼がきたら漫画みたいだね」と。すると本当にテレビ局のデレィクターから連絡が。皆さんがよくご存じの人気番組への出演依頼だったのです。これには本当に驚きました。一生の運を使い果たすんじゃないかと思ったぐらいです。収録当日、テレビ局の出演者専用の受付を通るまでは半信半疑でしたからね。それからは、他局からも出演依頼がくるようになったのです。

 このように思いは願えば叶えることもできるのです。そのためには、一日一日を自分自身と真剣に向き合うことです。目の前の問題から逃げずに戦うことです。そうすることによって、人から評価されますし、その評価は知り合いの知り合いへと広がっていきます。全てがいい方向へと連鎖していくのです。

 何かを成し遂げる時、必ず大きな壁が立ちはだかります。私がホームレスになったことは、これから成し遂げようとしていることへの壁だったのかもしれません。その壁を乗り越えてこられたのも、そこから逃げずに戦ってきたからです。

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