【MyWay】データによる説明は正しいようで正しくない

※MyWayとは、世の中の多数派には賛同してもらえないかもだけど、我が道を行く見識を述べたものです。


ビジネスをしてたり、研究をしてたりすると、「イメージではなくデータで示す」ことをしないと、周囲を説得できないという場面は多々あると思います。

たしかに、印象というのは、感じる人によって違ったりするので、ファクトが欲しくなるのは当然であり、その考え方自体を否定するつもりは毛頭ありません。

しかし、世の中には「この結論にフィットするデータを作るか」みたいなスタンスで、データ分析を示してくる輩もたくさんいて、ピュアコンサルティングとしてデータアナリストも経験してた身としては、実に不快な気持ちで世の中の情報を見てたりします。

たとえば、
「コロナの感染者数が前週の同曜日と比べて下がりました」
「病床占有率が90%を超えて大変です」
「失業率が○%を超えてるからセーフティネットが必要だ」
「胃がん患者の約9割がピロリ菌を多数保有してたので、ピロリ菌は退治すべき」
とか。

そんな前週と比べるだけで安心できる材料になるの?
分母のベッド数って、どの分を数えてるの?カウントされてない病院はいったい何なの?
海外の失業率の計算式の定義と違うのはなぜなの?
AならばBが成立してもBならばAが成立するとは限らないよね?

何も考えずにニュースを聞くと、そのとおりのポジティブ印象またはネガティブ印象を受けてしまうのですが、ふと立ち止まって自分の知ってる他の情報と照らして考えてみると、いろんな疑問が湧き上がってくるものです。

で、そのニュースで出てきてる数値の根拠を調べると、、、だいたいは、
・一部のデータソースを使った分析になってる
・分析結果が都合良い切り口だけしか示されてない
ということが多く、

本来の「ファクトを知って、その後の対策に活かす」という目的とは程遠い分析結果を出してくる人が、なんならデータを使った印象操作をしてくるような人が、世の中には多すぎることを感じることになると思います。

特にメディアにおいては、利権が絡むのか、政治的な圧力がかかってるのか何かしりませんが、その傾向は強く、もう段々とニュースに出てくるデータはすべて信じられない、というほどにまでなってきた気がします。

ニュースを見てる大多数の人が、報道された印象どおりに受け取るのはしょうがないと思います。
そうなると、報道する側、データを準備する側のモラルとか正義感とか能力とかに依存せざるを得ないので、マスコミ業界へいく人たちには、そういうことを期待したいのですが、まぁ期待しても仕方ない諦めみたいなものを感じざるを得ません。

ニュースだけでなく、ブログとかTwitterで発信してる人もそうですし、コメンテーターもしかり、さらにはコンサル業界でも都合良いデータを作りにかかる様子を見たりもしてきました。

仕事してると、しかも少し上の目線や、様々なできる人たちの様子を見るとよく感じるのですが、やっぱり結局は仕事って、その人の心意気が現れるんだろうな、と。

たとえば弁護士という仕事もある意味似てて、ファクトを追求するのではなく、依頼者の有利になることをするのが仕事になってますよね。
(このことの是非を問うつもりではないです)

偏りのない心、ニュートラル、素直さ、視野の広さ、、、
こういった心を如何に育てるか、
そして如何に維持するか(変な価値観に流されない)

ってことを後世にうまく伝えられたらなぁ、と思います。


追記:
どうすればニュースなどの分析データやメッセージのおかしさに気づけるか?
ということを知りたい人もいるかと思います。

ただ、その気付きを得る道はそんなに簡単ではないと思ってます。

様々な教養にふれて理解をしておくこと。(だからこそ義務教育は大事)
世の中で起こってることに、実際足を運んで体験すること。(流行りのチェーン店などには必ず行ってみるとか)
情報の取得方法としても、偏りないようにする。テレビ、ネット、ツイッター、ヒアリングなど

そういう日々のちょっとした積み重ねによって構築される自分なりの世界観があって、
そのうえで、ニュースのメッセージを見たときに感じる「違和感」。

この直感に近い感覚を研ぎ澄まして、物事の真実を見極めていく。

こんなことが必要なんだろうと思う今日この頃であります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?