見出し画像

【保育】保育士が幸せだと思える環境に


朝日新聞、2月6日の朝刊に
『ぐりとぐら』作者の中川李枝子さんのお話が掲載されていました。


ご自身も本を書きながら、東京・駒沢のみどり保育園という保育園で、
主任保母として勤められていたという中川さん。

子どもを相手にする真剣勝負の保育は常に厳しかったものの、「子どもたちが可愛くて可愛くて『このままさらっちゃいたいわ』」と思うくらい、保育の仕事が楽しかったといいます。

そして、最近問題となっている保育現場での虐待などのニュースについては、「子どもとふれあう保育の仕事を『楽しい』と感じられない保育士がいるのだとしたら、それはつらい、かわいそうな話だと思います」

「その上で、保育士の質や教育はもちろん大切、その上で保育士が『幸せ』だと思って働ける環境になっているか気にしてほしい」と言われていました。



保育園での「不適切な保育士」の報道がされるたび、心が締め付けられるような気持ちになります。

虐待や暴力は決して許されるものではありません。
しかし、問題行動を起こした保育士たちも、始めから子どもたちを愛していなかったわけではないと思います。

一人ひとりの背景は分からないけれど、何かのきっかけで始まった行動が
エスカレートして、取り返しのつかない問題行動となって明るみに出たのでしょう。(組織的に隠蔽していた件については論外!)

私はパート保育士で、常勤の先生方の多忙さや心の疲労を、少し離れたところから見て感じています。

日常の業務に加えて、子どもたちとの関係、保護者との関係、上司や同僚との関係、これらの圧力が重くのしかかります。

子どもたちを、正しく安全に保育するのが前提で、何か問題があると責められる。そしてその心身の疲弊に決して見合っていない、待遇・賃金。
心身のバランスを崩して、休職したり退職する先生も何人も見てきています。

アクシデントが起こったときに、こちらの謝罪や説明に耳を傾けることもなく、怒りの感情をぶつける親御さんもいますが、その1つのアクシデント以外の99の普段の保育部分で、どれほどそのお子さんを愛し、大切に思い、保育しているのかを想像してほしいと思ってしまいます。

中川さんの記事を読んで、改めて「保育士の幸せ」について考えさせられました。

未来を担う子どもたちの、心身の成長に携わる「保育士」の仕事は、本当に意義のある、素晴らしい職業だと思っています。

「子どもが好き」
「保育士になりたい!」
そんな理想を描いても、現実は厳しい。

保育士の仕事は、大切な子どもの命を預かる、責任の重い仕事だということを、世の中の人たちにもっともっと知ってほしいと思います。
そのためにも、保育士の社会的地位がもっと見直され、改善されていくことを心から願います。

そして、保育士が安心して仕事ができる環境。
これは金銭だけの問題だけではなく、心の問題も含めて。
職場の先生同士の人間関係、保護者との関係、子どもとの関係…
みんなが「健全な子どもの育成」というひとつの目標に向かって、
愛を持ってやさしい気持ちで向き合えるといいなと思います。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?