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小説『六人の嘘つきな大学生』感想(1654文字)

久々のnote💧
最近は本ばかり読んでいて(といっても読むのが遅いので何冊も読めるわけではないが…😓)noteの更新を全くしてなかった。

ひょんなきっかけで今更ながらハリーポッターを読む事になり、数日前に読み終わったのだけどその感想はまた後日書くとして、今日はついさっき読み終えた本『六人の嘘つきな大学生』の感想を書いていきたいと思う。

※ネタバレ含みますので、まだ本を読んでない人は今日の記事は読まない方がいいと思います。

この本は確か去年の「本屋大賞」にノミネートされていて、存在は知っていたけど正直そんなに惹かれなくて今まで読んでなかった。

けど読み出したら予想を遥かに超える面白さ‼︎

犯人は一体誰なのか⁉︎
そればかりが気になってずーっと心臓をバクバクさせながら読みました。

物語前半の最後に明らかになった犯人。
その衝撃はめちゃめちゃ大きかったです。
犯人がとてもそんな事をするような人には思えなくて、軽く人間不信になる…
なるほど、そういうことだったのか…
どうりでそれまでのインタビューが"インタビューを受ける側"の声しか書かれてないわけだ。
根本の部分から間違ってたんだな。
見事に騙された。

そして読み進めた後半、更に衝撃の連続でした‼︎

「えっ⁉︎結局犯人じゃなかったの⁉︎⁉︎」
「どういうこと???」
「じゃあ犯人は誰⁉︎⁉︎」

といった感じ。

少しずつ解明されていく謎。

そしてついに明らかになった犯人の正体。

本当に酷い事をする人間だと思ったけど、それもその人のほんの一部でしかなくて、実は優しい人間だったりする。
デキャンタ事件なんてまさに。
ほんの些細な勘違いだったけど、優しくて真面目であるが故に許せなかったんだと思うと救いようのない悲しい気持ちになる😢

それにしても、グループディスカッションで信じていた人に裏切られて濡れ衣を着させられ、みんなからも信じてもらえない絶望の淵に立ちながらも最善の策は何かを考え行動した波多野祥吾は本当に立派な人間だなーと思う。
その状況で"まだ開いていない封筒を開けないためにはどうするか?"なんて普通は考えられない。


封筒の出現によって、それまで人格者だと思っていた他のメンバー達に対して「結局は裏表があるんだな…」と僕自身も読みながら嫌悪感を抱いてしまった。

インタビューの時もそう。
ある者は面識のない子供達に対して大声で怒鳴りつけたり、ある者は障害者専用スペースに「近いから」という理由で当然のように車を停めたり…

しかし、物語の最後の方で明らかになった真実は全く違うものだった。
固定観念に捉われてしまっている自分の考えの浅さというか、薄っぺらさが恥ずかしくなってしまうほどに…😓

なんだ…
本当はみんな優しいんじゃん🥹✨

特に飲み会の時のコトは胸が打たれた。

一見すると大学生達が若さ故に周りの人の事とか考えずにバカ騒ぎしてたと思った飲み会だったけど、間違えて飲み放題で予約してしまった森久保の為に"飲みたくてしょうがない感じ"を出してたんだな🥺

しかも酒飲めない子にはムリに飲まさずにウェルチで誤魔化したり、それを知らない九賀が心配して本気で怒ったり…

優しさに溢れてんじゃん😭‼️‼️

6人が一つの目標に向かって一生懸命に頑張っていた頃の事が思い出される。
お互いがお互いをリスペクトし合って、足りない部分は誰かが補ったりして、本当にいいチームだったと思う。

封筒の出現によってチームはバラバラになってしまったけど、絶望しながらも事件と真剣に向き合い、真実を解明してくれた波多野祥吾は嶌衣織の心を救うと同時に読者である僕の事も救ってくれたように思う。

月の裏側がボコボコであまり綺麗ではないのと同じように、誰にでも醜い部分や知られたくない部分はある。
完璧な人間がいないのと同じで、完全な悪人もいない。


いろんな人と接していく中で、自分が見ているのはその人のほんの一部でしかない。
嫌いな人でも悪人に見えても、その一部分でその人の全体を決めつけないでもっと深い部分も見れるような人になっていきたいと思う。

この本に出会えて良かった‼︎



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