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ブランドアンバサダーを立てるリスク

テレビCMを始めとする広告に
芸能人を起用するのはよくある話。
その意図するところは、芸能人が
持つポジティブなイメージを活用
して、そのブランドのイメージを
良くする点にある。
ブランドを代表してもらうという
意味合いで、ブランドアンバサダー
と呼ぶことも多い。

アンバサダーとは、外交官とか
代理人の意味。
社会との橋渡しをする上で、
ブランドの「らしさ」を体現して
くれる存在としての役割が期待
される。

その芸能人が持つイメージが世間
的に良ければ良いほど、その良い
イメージでブランドのイメージを
引き上げてくれると期待が持てる
から、その分価値が高い。
当然、契約金も高い。

たまたま所用で溜池から赤坂へと
歩いていたら、サッポロ一番の
屋外広告に目を吸い寄せられた。
話題の人、竹内結子さんが微笑んで
いたからである。

彼女の訃報には大変驚いたし、
とても残念な思いだ。
そんな個人的な感傷は脇に置き、
彼女の死という事実を客観的に見た
時に、彼女を起用しているブランド
にとっては、今回の事実は痛恨事
だろうなと思いを致した。

サッポロ一番を展開するサンヨー
食品は、2015年から竹内さんを
起用、6年もの間ブランドの顔を
彼女が務めていたことになる。
訃報を受けて、早速公式サイトに
特設ページを設け、期間限定の
動画を流す等の対応をしている。

(特設サイトが、不具合のせいか
うまく貼り付けられないため、手
前のお知らせページを貼付した。)

今回は訃報ということで、ブランド
が被害を受けるケースとは言えない
が、少なくとも残っていた契約期間
について彼女のサポートが得られ
ないのはマイナス要因だ。
一時的にせよ、特設サイトが話題に
なるなどの副次的な効果で、世の中
にサッポロ一番を強烈に、そして
鮮明に周知できたことをプラスと
捉えるならば、トータルで見て損害
とまでは言えないかもしれない。

これが、もし「不祥事」系の事件と
なると、ブランドは大打撃を受ける。
「悪事千里を走る」ではないが、
悪いニュースである程に人の口の端に
のぼりやすいわけで、芸能人が何らか
の不祥事で叩かれたりすると、契約
している企業サイドも散々叩かれる
ことになる。

ドライな表現になってしまうが、
芸能人と契約をしてアンバサダーに
なってもらうのも「投資」。
当然のこととして、そこには
「見返り」「リターン」
が求められる。
折角大金を投資したのに、イメージを
引き下げるようなことになれば、
リターンはマイナスだ。

だから、政治家が大臣になる前に
「身体検査」を受けるというのと
同じで、芸能人を起用する契約を
結ぶ前には、徹底的な身元調査を
依頼することもある。
そうやって、投資に対するリスク
マネジメントを行うのだ。

天高く馬肥ゆる秋、というが、
今日の青空はとても澄んでいて
高かった。
(写真の腕が悪くて、その美しさ
が伝わらないのがモドカシイ。)
その青い空をバックに、にこやかな
笑顔を見せてくれた竹内さんの
ご冥福を、心からお祈りしたい。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。