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「座右の銘」を掲げ、実際に「座右」に置いて日々眺める

NHKの大河ドラマ『青天を衝け』が
始まった。
以前から、渋沢栄一翁にはこちらから
勝手に様々なご縁を感じており、
今回のドラマも毎回ワクワクしながら
観ているところだ。

渋沢栄一といえば、『論語と算盤』。

昨日のドラマで、まだ幼い栄一が、
「義を見てせざるは勇無きなり!」
と叫んでいたが、
これも出典は『論語』。
人としてなすべきことを知りながら、
それを実行しないのは、
勇気がない臆病者だ!
というような意味合いとなる。

栄一は、日本に株式会社制度を
持ち込む先見の明を持ち、
自ら500もの会社の設立や経営に
関わったと言われている。

そのうちの一つが、帝国ホテル。
栄一が初代会長を務め、昨年の11月に
130周年を迎えた。
その帝国ホテル東京の総支配人である
金尾幸生氏が、『致知』の2月号に
座右の銘を寄せている。

さすがは帝国ホテル、
栄一に学ぼうという気持ちを強く
持つ方が多いのかもしれない。
金尾氏の座右の銘も、中国の古典。
しかし、『論語』ではなく、
『孫子』において説かれている、
「戦いに勝つための五つの条件」
だということだ。

その五つとは、
「道」:正義や大義、事業目的や経営理念
「天」:物事を行う上でのタイミング
「地」:自分が持つ地の利、強み
「将」:リーダーとしての資質や能力
「法」:組織における責任や権限、ルール
である。

この五つを、つまづいたり悩んだときに、
チェックリストのように用いて、
一つひとつ対処すると、自然と次の
展開が開けたそうだ。

会社をはじめとする組織の中では、
上の階層に行けば行くほど、
その責任は重大となっていく。
そして、社長や代表のような立場に
なると、責任の質がガラッと変わる
と聞く。

要は、後がないのだ。
お伺いを立てるべき相手がいない。
自分自身の判断が、決断が、
大きなインパクトを世の中に
与える「怖さ」を感じさせるのだ。

だからこそ、長い歴史を耐えてきた
叡智の結晶である古典の考えなどを
「座右の銘」としてそれに頼り、
精神安定剤的な効能を求めつつ、
その考えを行動に移すことで実利を
得ようとするのだろう。

社長や代表になってから、
「座右の銘」を求めるのでは
遅きに失する、否、そのような
心構えでは社長や代表といった重責を
担う役回りに就くことは期待できない
だろう。

「座右の銘」を心に刻み、
日々をその教えに沿うように精一杯
生きるからこそ、社長や代表としての
器が磨かれ、いつしか乞われて
そのような立場に就くことになる。
そのようにありたいものだ。

私自身は、小学校5年生の頃に
「継続は力なり」
という言葉を知り、以来それが
自分の「座右の銘」だと言ってきた。

その後、様々な言葉たち、例えば、
「(陰)徳を積む」
「いつも上機嫌」
「一燈照隅」
「傾聴」
「指を自分に向ける」
などのお気に入りの言葉たちを
コレクションして、日々折々
読み返すことにより、
自分の意思決定、決断がブレない
ようにしてる。

実際どこまで「知行合一」できているか、
大いに反省すべきと認識はしている。
それでも一つ確実に言えると思うのは、
「座右の銘」を掲げていなかったなら
今の自分はもっとふがいない存在で
あっただろう、ということ。
「こうありたい」という思いを掲げ、
それを脳に認識させ続けることが、
少しは人生の役に立っているはずだ。

実際に、自分の「座右」に物理的に
「銘」を置くことはしていないが、
収集したお気に入りの言葉たちは
いつでもどこでも取り出せるように
して、時折見返すようにしている。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。