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「辛ラーメン」を生んだ農心創業者は起業家兄弟

10月5日から14日までの10日間、
日本国内では初となるポップアップ
ストアを原宿で開催中の、
韓国の食品大手「農心ノンシムという
会社があります。

社名は知らなくても、シンラーメン」
名前ならご存知ではないでしょうか?

冒頭の写真は、その農心のソウルにある
本社前にあったモニュメント。
3ヶ月ほど前に出張で韓国を訪問した際、
所用あってお邪魔したときに撮らせて
もらいました。

この農心の創業者は、辛春浩シン チュンホ
2021年に92歳で永眠された、
稀代の起業家です。

農心の本社ビル1Fロビー奥に設置されていた胸像
「以農心行 無不成事」とは、農心(農民の内面にある純粋な本心、天心)で
行動すれば必ず成功する
、という考え方を指すそうです。

私自身は、恥ずかしながら韓国出張のときに
初めて知ったのですが、実はこの辛春浩氏の
長兄は、ロッテの創業者である重光武雄氏
なのです。

重光氏の本名辛格浩シン ギョクホ
敗戦後の日本で事業を起こし、
チューインガムの製造販売で波に乗り、
元々は石けんやポマードの製造販売で
立ち上げた会社の名前をロッテに改称。

1965年の日韓基本条約締結後に、
氏は祖国である韓国にも貢献しようと
いうことで、ロッテ製菓を設立。
観光業を中心に次々と他事業も立ち上げ、
一代で巨大財閥を興した、
正に「立志伝中の人」です。

彼らは、五男五女で、ロッテを興した
格浩氏が長男、農心を興した春浩氏が
三男
、他の男子三名のうち少なくとも
二人も自ら事業を興してそれなりに
成功させた「起業家兄弟」として、
韓国では有名なのだと伺いました。

元々、春浩氏は格浩氏から援助を受けて
韓国で製菓事業を手掛け始めた
ようですが、
兄に時期尚早と反対されていたラーメン
事業に進出をしたあたりから仲違いし、
当初の屋号であった「ロッテ工業」の
名前も使用禁止を申し渡されてしまった

ようです。

結果、「農心」と改称したわけですが、
辛ラーメンのヒットなどでみるみる大きく
成長して今に至るということです。

ロッテと農心。
これだけ巨大な別個の企業グループを
立ち上げたのが、兄弟同士であったと
いうことに、少なからず驚きました。

血のつながりのある兄弟ですから、
当たり前なのかもしれませんが、
起業家としての素質、適性が兄弟皆に
受け継がれているに違いない

そんな感慨を持った次第です。

そして、そんな優れた資質に恵まれた
兄弟同士であっても
、いやそんな兄弟
だからこそかもしれませんが
仲違い
して「絶縁」
したという話を聞いて、
何が成功で何が失敗かというのは
評価が難しい
ところだなぁとしみじみ
感じました。

農心本社の庭には、こんなモニュメントが
設置されていました。

モチーフは、もちろんラーメンです。
辛ラーメンで大きくなった会社ゆえ、
そのラーメンの形をデフォルメして
アートにした
のでしょう。

原宿で実施中のイベントは、
入場・試食無料とのこと。
お近くの方は立ち寄ってみては
いかがですか?


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ahiraga
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。