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戦略と戦術

戦争で使われる用語が、
経営では多く使われている。
その筆頭が、タイトルに挙げた
「戦略」「戦術」だろう。

この二つの言葉は、非常に便利。
特に「戦略」に関しては、
どんな言葉と組み合わせても
なんとなく格好が付く、
マジックワード
なのだ。

経営「戦略」
マーケティング「戦略」
ポジショニング「戦略」
差別化「戦略」
営業「戦略」
製品「戦略」
価格「戦略」
チャネル「戦略」
・・・

では、「戦略」を作るにあたって、
どうしても譲れない必須要素
何だろうか?
非常に単純な質問ながら、
意外と答えられない人も多い
かもしれない。

結局のところ、
「戦略」
とは何かを定義できない限り、
それに必須となる要素が何か?
という質問にも答えられない
はず。

「戦略」とは、
漢字をよく眺めれば自ずと分かる
かもしれないが、
「戦い」を「省略」すること
意味している。

戦いというのは、それはそれは
大変である。
厄介である。
やらなくて済むなら、
いっそのことやらない方が
ヒトが死んだりしないし、
モノが壊れることもなく、
カネも遣わないで済む。

だからこそ、「略(はぶ)く」
ことができるなら略く。
できるだけ、戦いを最小限に
とどめられるようにする。

そのための方策こそが、
「戦略」なのである。

これに対して、
「戦術」というのは、
「戦う」ための「術(すべ)」
ある。
もう「戦う」ことが前提とされて
いる言葉ととらえて良さそうだ。

「戦う」前提で、どうやって戦うと
勝てる確率を高められるか、
その具体的な方法論
こそが「戦術」と
言ってよいだろう。

「戦略」と「戦術」の定義がおおよそ
つかめたところで、
「戦略」に欠かせない要素とは何か?
という問いに戻ろう。

「戦略」を立てるからには、
戦う必要のある相手がいるはずだ。
実際に戦うか、あるいは戦わずに済ます
かは分からないものの、
それによって得たい「目標」が存在
しているはずである。
そうでないと、そもそも戦う意味を
見いだせないことになるのだから。

そして、「目標」に到達したいなら、
まずは自分が今どこにいるのかを
把握しない限り、効率的な目標達成は
覚束ない。
つまり、「現在地」を知る必要がある。

この「現在地」と「目標」との間には、
必ず「ギャップ」「差異」が存在する

はずだ。
この「ギャップ」「差異」をいかに
埋めるか、それこそが「戦略」を
立てること
に他ならない。

「戦術」を以てして、
この「ギャップ」を埋め、
目標達成に近づけることも、
勿論可能であろう。
しかしながら、「戦術」ばかりに
気を取られていると、
「戦略」が疎かになり、
結局勝利を得られない。
そんな事例は枚挙にいとまがない。

「戦略」の失敗を「戦術」で取り返す
ことはできない。

そんな言われ方をすることもある。
これは、よくよく肝に銘じておくべき
話である。
小手先の「戦術」でどれだけ上手に
立ち回れたとしても、
より抽象度の高い「戦略」レベルで
オセロがすべてひっくり返る

そんなことが実際に起こるのだ。

日本海軍が、真珠湾攻撃で見事な
戦果=戦術的勝利を挙げたのも束の間、
その後のミッドウェー海戦などで
負け続け、それが敗戦へとつながって
いった歴史。
これは、アメリカがハルノートで、
日本を勝ち目のない戦争に引き込んだ
時点で、戦略的に勝利していたのだ。

どんなに真珠湾で成功を収めようと、
より大きなゲームの序盤戦で
半ば偶然得られた勝利に過ぎず、
既にゲーム全体の濁流に飲み込まれて
息も絶え絶えだった日本。

それでも、何とか国が解体される
ことを阻止し、
世界一長く続く国として、
今に至る歴史をつないでくれた
先祖の皆さまには、感謝しかない。

せめて我々は、今の平和ボケから
一刻も早く目覚めて、
日本という国が持つ「和」の価値観を
世界で体現できるように行動
していく
べきだ。
終戦記念日が間近に迫り、
「戦争」「戦略」「戦術」といった
言葉から思うところを書き連ねてみた。

英霊におかれては、
安らかに眠っていただきたい。



己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。