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既に付いているイメージを活用する

函館と言えば、夜景。
あるいは、五稜郭。
知人に数名出身者がいる
函館ラ・サールもパッと思い付く。

港町ということで、海の幸とか塩の
イメージもあるかもしれない。
実際、函館の塩ラーメンの知名度は
全国区だろう。

そんな函館のお土産として、
こちらの「塩かすてら」を
いただいた。

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北海道産の小麦、そして同じく
北海道産の天日干し塩を使い、
丁寧に焼き上げたカステラ。
なぜ函館でカステラ?と思う
向きもあるかもしれない。
私も全く知らなかったのだが、
最近の函館土産の中ではかなり
人気上位とのこと。

函館市の公式観光情報サイトでも
バッチリ紹介されている。

このサイトにある通り、発端は
函館にちなんだ新商品を開発
したい!というところにあった
ようだ。
「スィーツギャラリー北じま」
という製造発売元の会社が、
開発にあたって検討した結果、
このアイデアが採用されたとの
こと。

函館というと、幕末に長崎などと
ともに世界に向けて開かれた港町
というイメージがある。
長崎名物のカステラを、函館風に
アレンジしてみたら?というのが
発想の素。

「函館らしさ」として選ばれたのが、
塩ラーメンや海産物のイメージから
連想した「塩」。
カステラに塩を使ったことはなかった
ようだが、バッチリ美味しく仕上がり、
発売へと至ったようである。

お土産として、人に差し上げるのに
ふさわしい桐箱入りの高級仕様。
一本1,400円程するようだが、
中を開けると、丁度一人前ずつの
大きさにナイフで切り分けやすいよう、
台紙に筋目が入っており、それに
沿って七等分に切り分けた。
ということは、一人前200円ほど。
割高だが、お土産と考えればまぁ
妥当な範囲内と言えそうだ。

肝心の味の方は、確かに塩!
とても上品な塩味が、かえって
後を引く。
カステラ生地もなめらかな口当たりで、
人気が出ているだけのことはある。

お土産の商品開発では、当然ながら
その土地のイメージをいかに上手に
活用するかが大切だ。
この「塩かすてら」の事例は、
「函館」が持っているイメージを
上手く活用して人気を博すことに
成功している。

ただ、実際には、他に数限りない
失敗例があるに違いない。
マーケティングを考える上では、
この失敗例の方がかえって深い
学びを得られることも多い。

成功例は、ほとんどの場合、
見事に「一貫性」が保たれている。
お客様のイメージと、実際の商品との
間の一貫性。
商品アピールの内容と、商品の実力
との間の一貫性。
いわゆる「マーケティングの4P」
相互の一貫性。

失敗例は、この一貫性にどこかで
ほころびがあるのだ。
高級品だとうたい、中身も実力が
あるのに、パッケージが貧相。
希少価値などない商品なのに、
やたら強気の値付けをする。
等々。

「塩かすてら」に話を戻すと、
商品の中身、パッケージ、価格、
販売店舗、アピールの仕方、
全てにおいて「一貫性」を保って
いる一貫したコンセプトの
下でと評価できそうだ。
マーケティングにおける
「一貫性」の大切さは、
いくら強調してもし過ぎる
ことはない。




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