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お客様の手間を減らすだけで大きなビジネスになる

カタログギフトのリンベルという
会社がある。

結婚式の引き出物や、香典返しなどで
利用したことのある人も多いだろう。

先日、Google主催のセミナーを視聴
していたら、Googleが提供している
サービスを上手に活用している企業の
事例としてこのリンベルが登場した。
コロナ禍で、関連事業は相当な打撃を
受けたが、それを機にD2Cの強化*が
文字通り「待ったなし」の状況に追い
込まれ、Googleを最大活用したことを
説明されていた。

*結婚式場や百貨店を通じたB2Bが主力
だったが、消費者に直接的にアプローチ
する必要性が高まった、という趣旨。


実際の取り組みの中で、興味深く感じた
のが、こちらの「あとらくギフト」と
呼ばれるサービス。

引用した記事タイトルにある通り、
「住所を聞かずにスマートにギフトを
お届け」できるサービスである。

個人情報保護が厳しく問われ、あまり
軽々しく住所や電話番号などの情報を
取り扱えない時代の流れがあるほか、
そもそも住所交換などせずとも
SNSでつながって仲良くなり、
いざ何かを送ろうにもお互いの
連絡先が分からないとか、
メルカリやヤフオクのような
サービスを利用する際に、
できるだけ個人情報を晒したくない、
そんなケースが増加しているという
背景がある。

こういった状況を捉えて、いち早く
サービス開発を行っていたのが、
郵便局やヤマト運輸のような宅配
事業者である。
郵便局は、住所を知らない人にも
年賀状を送付できるサービスを、
2017年から既に始めていた。
また、ゆうパックやクロネコヤマト
でも同様のサービスを受けることが
できる。

相手の住所が分からなくても送れる点
よりも、スマホで送れる点の方がより
消費者にアピールするようで、タイトル
ではまずその点を強調している。
いずれの特徴も、いかに発送者の
手間を減らすか、簡単に気兼ねなく
送れるか、というところをアピール
しているのが分かる。

お客様が実際にサービスを利用して
お金を払ってくれるまでには、
いくつもの関門が立ちはだかる。
障害と言っても良い。
それらの関門・障害を、一つひとつ
丁寧に取り除いていくことで、
お客様のお買い上げ確率が上がる
からこそ、各社懸命に障害の除去に
取り組んでいる。

住所を知らない人に贈るギフトを
指して「ソーシャルギフト」と呼ぶ
ことがあるが、LINEやTWITTERなどの
著しい成長に伴って、潜在的なニーズ
がどんどん表面化してきたと評する
ことができるだろう。

こちらのギフティなども、創業して
既に10年経つ。
6、7年前にサービス内容を伺った際に、
既にかなりポテンシャルのありそうな
匂いをさせていたが、時代の波に乗って
着実に成長しているように見える。

リンベルも、恐らくはこれら様々な
事業者のサービスを横目で見て、
自分たちのサービスを導入する
きっかけを掴んだのではないかと
勝手に推測している。
お客様が面倒に思っていること、
今回の例で言えば、いちいち住所等を
引っ張り出して来て入力したりする
手間ヒマとなるが、お客様をそれらの
面倒から解放して差し上げることが、
大きな価値を生むのである。


己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。