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切れ味鋭いランドセルの販促企画

「♪ピッカピカの、いっちねんせい」
TVCM史に残る名コピーの一つと言って
過言ではないこのフレーズ。
言わずと知れた、小学館の雑誌
『小学一年生』
のTVCMである。

男の子と女の子が並んで、
これから始まる新しい生活に
期待と不安を抱いている様子を
切り取った映像が、
とても初々しかったのを思い出す。

少子化や、オンライン化などの世相の
変化、雑誌業界自体の苦戦などといった
環境の中、特に最近目にすることが
少なかった雑誌であるが、今日
『販促会議』で興味深い記事を発見。

ランドセルのセイバンが、販促企画として
『小学一年生』の年間定期購読との
コラボレーションを実施したとのこと。
その内容が、こちらである。
(以下、元記事を再構成して引用)

ランドセルメーカーのセイバンが、子どもの名前と紹介文を記載したオリジナルの国語辞典を、小学館とコラボして制作。
『小学一年生』の年間定期購読のセット商品として、特設のオンライン販売サイト「新入学おめでとうストア」にて、12月15日から販売開始。
この国語辞典は、11月16日から12月11日まで、セイバンの直営店と公式オンラインショップでのランドセル購入者に向けたキャンペーン賞品として提供していたが、予想を超える反響があり、数量限定での販売に踏み切った。
1冊ずつ作成することもあって販売価格は高価。
これまでも雑誌の誌面や付録などで共に様々な取り組みを行ってきたなか、小学館が福利厚生の一環として名前入りの辞典をつくっているという話をセイバンの担当者が聞き、それなら子どもたちや家族にも喜んでもらえるのではと考え、企画が具体化した。


我が家は既に子どもたちが大きいため、
ランドセルも国語辞典もニーズはないが、
ドンピシャなタイミングであれば結構
気持ちが揺れたのではないかと感じる。

子ども自身の名前が辞書に載るという、
ユニークかつ心温まる体験ができ、
辞書なのでそれが長期にわたり楽しめる
という得難いベネフィット(嬉しさ)を
提供している点がまず秀逸。

予想を超える反響があるのも道理だ。
少子化が進んでいる分、一人当たりに
かける金額はむしろ上がっているという
こともよく言われるところであり、
多少値が張っても我が子のためなら
是非入手したい、しておきたい、
そう思わせる力がこの企画にはあった
のだ。
言葉を変えると、たとえ高価でも、
その価格に見合う、あるいはそれを
超える嬉しさがある、そのように
消費者は判断したわけである。

「天使のはね」シリーズという
ランドセル業界のトップランナー
として有名なセイバン。
ターゲットとしているお客様が
全く同じということもあり、元々
頻繁に小学館とコラボしていたと
いうことらしい。
小学館のユニークな資源である
「辞書」制作能力を上手に活用
することに成功した事例として、
大変参考になった。


ちなみに、上記にリンクを置いた
「新入学おめでとうストア」の
使い勝手は今一つイケてない。
急遽展開することになって、
大慌てで突貫工事をしたのかも
しれない。
既にこのページに来るまでに、
買う気持ちが十分高まっている
から問題ないということなのかも
しれないが、あまりの素っ気ない
作りに「カート落ち」が多いのでは
ないかと余計な心配を感じた。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。