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「自然独占の法則」とは?

これまでに何度か、バイロン・シャープの
『ブランディングの科学』に出てくる
考え方、理論をご紹介しました。

タイトルに掲げた「自然独占の法則」
というのも、シャープ氏の同書に出て
くる概念です。

英語では「Natural Monopoly Law」
とされていました。
ほぼ直訳ですね。

これはどんな考え方かというと、

シェアが高いブランドほどより目立つようになり、
そのカテゴリー内において多くのライトユーザーを惹きつけるようになる

というものです。

どんなカテゴリーでも良いですが、
仮にカフェのカテゴリー
取り上げましょう。

厳密に言うと、カフェと言っても、
客層や単価、立地などの組み合わせで、
単一というよりは複数のカテゴリーに
分かれていると捉えた方が良さそうな
気がしなくもありませんが、
ここでは一旦単純化して考えます。

シェアが高いブランドであれば
あるほど、当然ながら世の中では
より目立つ機会が増えますよね。

日本においては、スターバックスが
店舗数並びに売上で群を抜いている

チェーンであると考えられます。

この場合、スターバックスはより多くの
人に目立つ存在
となりますよね。
そうなると、カフェのヘビーユーザー
ではなく、たまにしか使わないような
「ライトユーザー」が、スターバックスを
そのたまの機会に使うことが多くなる

という考え方が「自然独占の法則」
呼ばれるものなのです。

人は、結局のところ知らないものを
買うことに抵抗を覚えることが多い

いうのは自然なこと。

たまにアマノジャクな人もいますが、
それは無視しても良い程度。
大勢は、知っているものを選ぼうと
する人たち
なわけです。

「ライトユーザー」というのは、
普段の使用頻度が低い人たち。
そういう人たちは、どれを選んだら
良いか分からず、より安全な選択肢
として最も有名なブランドを選び
がち
なのですね。

富める者は益々富める
そんな状況だということで、
あまり後味の良い「法則」ではない
わけですが、それが定量的な分析で
明らかになっている
ということ
なのです。

では、自分がこのトップブランドでは
ない場合、この「富める者」に追い
付き、追い越すには、どうすればよい
というのでしょうか?

それには、とにかくメンタルと
フィジカルのアベイラビリティ
(思い出してもらいやすさと、
買い求めやすさ)を強化
するより
ほかに方法はないようです。

放っておくと、この「自然独占の法則」
よって、カテゴリートップのブランドが
どんどんメンタル及びフィジカルの
アベイラビリティを強化してしまいます。

消費者の心の中で、そして店頭などの
物理的な空間で、どうやって自ブランドの
存在感をアップするか

このことを常に念頭に置きながら、
カテゴリーのトップを目指していく
必要があるわけですね。

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ahiraga
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。