メンタルとフィジカルの「アベイラビリティ」
マーケティング用語は、
とかくカタカナが多い。
英語の読みをそのままカタカナで書いて
しまい、あえて翻訳しないで使うのが
かなり一般化している。
しかしながら、そういう使い方をして
社会一般に通用するものと、
ちょっとそれは厳しいだろうというものと
あって、なるべく場面場面で使い分けする
ように気を付けている。
「マーケティング」という言葉すら、
人によって定義がまちまちである。
「コンセプト」とか、
「ポジショニング」とか、
「プロモーション」など、
割とよく聞く言葉だと、何となく分かった
気になりやすいのだが、意外とお互いが
認識している意味、定義がズレていたり
するもの。
「メンタルアベイラビリティ」
「フィジカルアベイラビリティ」
という言葉は、まだ一般になじみがない
言葉だと思うが、逆に定義のズレは
起こりにくい言葉かもしれない。
「メンタル」というのは、
「心理」「心」を意味する。
「フィジカル」というのは、
「物体」「体」を意味する。
そして、アベイラビリティというのは、
「available」の名詞形、すなわち、
「入手できる状態にある」という程の
意味合いとなる。
ここから、「メンタルアベイラビリティ」
とは、「心理的に入手可能な状態」、
「フィジカルアベイラビリティ」とは、
「物理的に入手可能な状態」という
意味合いだと理解できるだろう。
これらの言葉は、過日このnoteでも何度か
取り上げさせてもらった『売上の地図』の
中で解説されている。
詳しくは、
「第2の地図 売上と売り場」ならびに
「第3の地図 売上と想起」のところを
参照いただくのが良い。
「メンタルアベイラビリティ」は
「思い出してもらいやすさ」、
「フィジカルアベイラビリティ」は
「買い求めやすさ」という言葉が
当てられており、とても的確な訳だと
思っている。
売上を上げるには、お客様に
より思い出してもらいやすくする
必要がある。
併せて、より買い求めやすくする
必要もある。
前者は、主にコミュニケーション、
広告やPRなどの仕事。
後者は、配荷、店頭露出など、
割と営業に近い仕事。
これらは、いずれを欠いても
「画竜点睛」。
両方が揃って、相乗効果を発揮して
売上がしっかりと安定するものだ。
店頭でどれだけ広く面を取って展開
していても、思い出してもらえない、
名前を知られていない状態ならば、
なかなか手に取ってもらえないだろう。
逆に、誰もが名前を知っている
ブランドなり商品であっても、
店頭に存在していなければ、
購入のしようがないのである。
二種類のアベイラビリティの話が、
たまたま昨日の仕事の中の会話で
出てきたので、取り上げてみた。
改めて、日本語の短文で表現するならば、
「物心両面で、消費者にたどり着け」
といったところであろう。
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。