豪華な商品には豪華な接客
そろそろクリスマス。
数週間前から、ハイブランドの広告が
あちらこちらで目立っていた。
クリスマスプレゼント需要狙いで
あることは疑いのないところ。
コロナで我慢、我慢の一年を強いられた
消費者、生活者は、ここぞとばかりに
あれこれ買い漁るのだろうか?
それとも、先行きの不透明さから
ここでもまだグッと我慢、消費は
控えるのであろうか。
経済全体の数字から見れば後者である
と思われるが、ところどころで「爆発」
している消費シーンも散見され、
優勝劣敗がハッキリしているという
印象を個人的には持っている。
家族が、ルイ・ヴィトンのリアル店舗に
財布を買いに行った。
たまたまクリスマス商戦のど真ん中
だったからなのか、羨ましいことに
接客時にモエのシャンパンをサーブ
していたらしい。
昼間なので、ソフトドリンク(ブラッド
オレンジジュース)にしておいたらしい
が、いずれにしても豪華な接客である。
しかも、接客している店員さんが
「おもてなし」力に溢れていたという。
それはそうだろう、そう簡単に
ルイ・ヴィトンのスタッフにはなれない
はずだ。
容姿、殊に笑顔、性格、立ち居振る舞い、
最前線に立つブランドの「顔」だけに、
相当厳しいチェックにさらされている
ことは想像に難くない。
これは、ルイ・ヴィトンのようなブランド
であればこそ、得心のいくサービスだ。
ユニクロでは、このようなサービスは
やらないだろうし、期待もされていない
だろう。
最近、瞬殺で売れたという、
ジル・サンダーとのコラボ「+J」
であっても、シャンパンのサービス
まではさすがにやり過ぎとなろう。
将来、「+J」の上を行くようなコラボを
実現した暁には、その可能性も考えられ
なくはないが。
ブランドの話をする時に、
必ず強調するのが、
この「一貫性」である。
豪華な商品を売るならば、
付随するサービスもまた
豪華であるべき。
「一点豪華主義」などという言葉も
あるが、実際に売る側がそれでは
商売が立ち行かないだろう。
ブランドっぽく振る舞ってるけど、
所詮はニセモノだ、とばかりに
お客様から愛想を尽かされる。
豪華なら豪華で、抜け漏れなく、
お客様が体験することの全てを
豪華で貫き通す。
金太郎飴のどこを切っても、
「豪華」
としか書いてない状態。
そうやってこそ、ブランドは、
ブランドとして、お客様の心の中に
しっかりと居場所を確保するのだ。
基本を忠実に守り、ブランドとして
長きに渡り愛され続ける。
値引きなんてしなくても、
お客様の方からすり寄っていく。
そんな風に、お客様の心をガッチリ
つかんでいるルイ・ヴィトンに、
「さすが!」と思わずうなったので
あった。