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小林製薬の商品ネーミングにおける方針の一貫性

「継続は力なり」
私の座右の銘である。
小学校5年生か6年生の頃、校長先生が
何度もこの言葉を朝礼などで述べて
おり、いつの間にか自分の中に定着
していた。

企業活動において、この継続する力と
いうのは、本当に重要である。
私のフィールドに引き寄せて言わせて
もらえば、企業のマーケティング活動
において、継続する力は極めて重要だ
ということになる。

継続力ということですぐに思い浮かぶ
のは、ネスカフェゴールドブレンド。
「♪ダバダー」で始まるあのCM。
もう20年も30年もやっているはずだ
が、常にキャストを変え、シーンを
変え、テイストを少しずつ変えながら
も、ベースは変えずに一貫して同じ
CMを継続している。

一流のマーケティングを展開している
企業やブランドは、どこも継続力に
おいて秀でているのは間違いない。
その中に、小林製薬も良い例として
挙げることができる。

「あったらいいなをカタチに」する
という方針の下、次々と矢継ぎ早に
新商品を展開するスピード。
そして、その新商品のネーミングに
共通する個性、DNAと言ってもよい
のかもしれない、その独特の個性が
ヒットの要因にもなっている。

「熱さまシート」
「糸ようじ」
これらについては、商品名がそのまま
カテゴリーを創ってしまった事例と
して、自ら紹介するほどの大ヒットで
あす。
今年の6月に、ニュースリリースで、
特許庁長官表彰を受賞したと発表、
その中に書かれている。

それ以外にも、小林製薬のネーミング
の妙は誰もが実感するところだろう。

「のどぬ~る」
「トイレの消臭元」
「さわやかサワデー」
「ブルーレット置くだけ」
「ケシミン」
「噛むブレスケア」

どれもこれも、キャッチーで、
どんな商品かが分かりやすく、
そして適度にダサい。
ダサいのは、商品の分かりやすさ
やキャッチーさと引き換えに
なっているので、仕方ない。
優先順位の問題なのだ。

受賞ポイントの一つ目にある文章を
引用させて欲しい。
太字は私が強調。)

世にない製品で新市場を創造する
というビジネスモデルの下、
製品特性をわかりやすく伝える
ネーミング・広告
にこだわり、
それらを商標権で確実に保護している。
また、「あったらいいなをカタチに」
する世にない製品で市場を創造している
ため、商標がそのまま市場で代名詞的に
消費者に認知
(柄付きフロス:糸ようじ、
冷却シート:熱さまシート)されうる
そのため、普通名称化することのない
よう、戦略的商標登録と普通名称化
防止活動を積極的に実施している。

彼らの戦略を、端的に語っている。
こんなにおおっぴらに、明確に語って
いても、真似をする企業はなかなか
現れない。
まともに張り合えているのは、
エステー化学くらいだろうか。
それも一部のカテゴリーに限られる
わけだが。

結局彼らに追い付き、追い越す企業が
現れないのは、継続することが難しい
からだと思うのだ。
太字で強調した部分を、全社で共通の
理念として共有し、常にアイデアを
募って製品化を迅速に進めている。
絶えず、しつこく、弛まなく、彼らは
動くことを止めない。
その継続力、持続力こそが小林製薬の
強みの根幹ではないかと感じる。

その強みをどのように手に入れたの
か、なぜ継続できるのか、彼らを
継続的にウォッチすることで、
少しでも解き明かしていきたいな
と思う。

ちなみに、、、
冒頭の画像は、小林製薬のトップページ
バナーでいきなり最初に出て来る
「ウンコビッチ博士」を借りてきた
ものである。
そのネーミングセンスには、もはや
言葉がない。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。