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My Favorite Quote #22

“Potential” is what people see when they think what’s in front of them isn’t good enough. ("American Fiction")

先ほど見終わった映画『American Fiction』で心に残った言葉。

昨今の「黒人性」を求めてくる世の中やそれに迎合した作品にうんざりしている黒人作家の主人公を通して、ステレオタイプの枠の外を見せてくれるのはもちろん、事実とは・創作物とはという観点も持てる作品かなと思います。

アメリカの歴史・文化に基づいた創作物ではありますが、創作物とステレオタイプ、また世の中の風潮とそれに流される人、その流れを利用する人というのは、アメリカの人種問題にとどまることではないよなあと感じます。

例えば、日本人であること、女性であること、30代であること、英語のレッスンをしていることについて、色んなステレオタイプ的特徴があって、個人として当てはまったり当てはまらなかったりですが、自分が「何とも思わないこと」と「ムッとしてしまうこと」があるなあと考えた時に思い出したのが、“雑談の人”の桜林直子さんの言葉:『誰かの言葉にイラッと引っ掛かるのは、そこに自分のこだわりや大事にしたいものがあるから』。ムッとして相手を責めるより、「おろ、ここに何か大事にしたいものがあるんだな」とか「あれ、ここにこだわってることあるのかな」と思えるといいなあと思います。

話が逸れました。今回引用した文はステレオタイプと直結はしていないのですが、主人公が「黒人には(ステレオタイプとは違った)可能性があることを示したいんや」と言った時に、洞察眼の深そうな黒人女性作家に言われる言葉。「“可能性(ポテンシャル)”っていうのは人が目の前の現状に不満がある時に見る(見える)もの」みたいな感じでしょうか。ポテンシャルを見ることがダメだとは思わないけど、妙に納得。あとはたぶん文(の形?響き?)が好き。

Prime Videoにあるし、日本語版の予告編あるかなと思ったけどなかったね。音楽や色、景色も良いです。コミカルな描き方も見心地が良いです。


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