パイナポー

YouTuber。 思ったこと。考えたこと。見たこと。感じたこと。

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思い出は砂の城のように

小田急線新百合ヶ丘駅の改札を通り抜けてすぐのエスカレーターを登ると左側のところにタリーズコーヒーがある。4年前の9月、秋の始まり。人生で一番悲しかった日。僕はそこで声を上げて泣いた。たぶん親や兄弟が死ぬ時より辛かったと思う。 彼女とは約2年付き合った。出会いは飲み会。僕は基本的にいきなり異性を(恋愛対象として)好きになることはない。なんか気が合いそうだな、ぐらいのノリで軽く飲みに誘ったのが始まりだった。 予想通り気が合った。酒が好きで、酒が強くて、秋田出身の黒髪の色白で、

    • 年末年始の過ごし方

      1年で一番好きな時期はと聞かれるとノータイムで「年末年始」と答えるぐらいには年末年始が好きだ。特に12/31から1/1にかけての前年の余韻を楽しむ夜から、その夜が明けてさあ新しい年が始まるぞと活況に沸く街が好きだ。この時間だけは世の中が不景気だろうが大臣が汚職や不倫で辞任しようが世界で戦争が起きていようが、街をゆく人々の表情は大体明るい。 大人になってからというもの、大晦日と元日の過ごし方は一定している。家なんかじゃ過ごさない。こんなに楽しい空気が流れる期間なんてそうないん

      • 雀荘で食うチャーハン

        前回の続き。 数年前の僕は、何をしても何を食べても、何も感じない、何も感動しない人間になっていた。具体的には2020年の夏頃から翌年の春ぐらいまで。この頃はいったい何をしていたのか、日々をどう過ごしていたのか、まるでその部分だけ消去されてしまったかのようにあまり記憶にないのだ。この頃の思い出という思い出がほとんど抜け落ちている。多分将来のことを考えたくなくて、本当に何も考えずに過ごしていたんだと思う。 ただ開き直って「世の中の大抵のことはなんとでもなる(これは今でも強くそ

        • ある朝のこと。

          あれはたしか3年前の7月初め頃だったと思う。夜中2時、僕はネクタイを3本繋げてそれを部屋のカーテンレールに結びつけ、現世との関わりを絶とうとしていた。何もかもが見えなくなっていた。新しい朝を迎えるのが毎日辛かった。 当時の僕は2社目の会社で、農業資材メーカーの営業マンをしていた。営業は数字が第一である。僕は昔から「コツコツ成果を出す」ということが苦手で、部署でトップの数字を出す月もあれば全く成果が出ない月もあった。朝から晩まで営業車で関東近郊を這いずり回って、既存の客先を回

        思い出は砂の城のように