雀荘で食うチャーハン

前回の続き。

数年前の僕は、何をしても何を食べても、何も感じない、何も感動しない人間になっていた。具体的には2020年の夏頃から翌年の春ぐらいまで。この頃はいったい何をしていたのか、日々をどう過ごしていたのか、まるでその部分だけ消去されてしまったかのようにあまり記憶にないのだ。この頃の思い出という思い出がほとんど抜け落ちている。多分将来のことを考えたくなくて、本当に何も考えずに過ごしていたんだと思う。

ただ開き直って「世の中の大抵のことはなんとでもなる(これは今でも強くそう思っている)」みたいなことを考えながら、喫茶店で本を読んだりしてたらたらと過ごしていたんだろう(失業保険があったので贅沢しなければ働かなくても最低限の生活をすることはできた)。

たまに友達と飲みにいったり(会社辞めたことを話すと説明がめんどくさいし変な空気になるのも嫌だから会社員のままの設定でいた)、たまに仲の良い女の子と遊んだりはしていたけれど、基本的には非常に無機質で無感動な日々を過ごしていた。酒を飲んでも、セックスをしても、ギャンブルをしても、何も刺激が身体の内側に入ってこない。ある時誘われて行った地元の雀荘で食ったチャーハンの味が全くしなくなっていたのは驚いた。昔はあんなに美味かったのに。無感動になった人間は味覚まで希薄になってしまうんだなと思った。

でも、そんな無機質な毎日を送っていると、急に有機質なものを取り入れたくなる時期が来るんですね。自分の心の中で「このまま何もなく死んでしまう」こと自体が「嫌だな」と思う瞬間がくる。

なんでもいいから何かしないと、と思っていた。昔大学のサークルで映像制作をしていたことがあるし、YouTubeにでも投稿してみるか?でもジャンルは何にしよう。中途半端は嫌だしな。どうせならある程度は形にしたい。

結構いろいろな所で話しているんだけど、僕は「もるだの塔」という裏風俗のレポートサイトを昔から愛読していた。資料としても非常に価値に高いサイトなのでURLを貼っておく。

http://moruda.net/

「この記事と同じようなことをYouTubeでやったら需要あるんじゃないか?」と考えた僕は早速実践に取り掛かった。一旦思い付いたら行動だけは昔から早い。

結果から言うとこのジャンルに焦点を当てたのは正解だった。4ヶ月ほどで登録者1000人を超え、「チョロいな」と舐めて3ヶ月投稿をサボってインプレッションがガタっと落ちたこともあったが(この頃はYouTubeのアルゴリズムなんて全く考えてなかった)、継続して動画を投稿しているうちに同ジャンルの強いチャンネルと絡む機会があったりして、今ではなんとかYouTubeで食えるようになった。変にエンタメ系なんかで行ってたら登録者20人ぐらいで心が折れて辞めていたと思う。風俗系(一応アングラ系とは名乗ってるけど)という競争相手が少ないジャンルを図らずとも選んだのは本当にファインプレーだった。そこは当時の自分を褒めてやりたい。

で、だ。
何が言いたいかというと、人生に絶望していてもチャンスは意外と転がっているということ。
僕も絶望の淵からなんとかギリギリで立て直した。あの時(前回の記事参照)死ななくて本当によかったと思う。

ちょっと不安な時は「なんとかなる」
失敗したら「まいっか」
怒られたら「しゃあない次や次」

どんな凡人でもこのメンタルで数打ってれば10回に1回ぐらいは当たる。
先日久々に行った地元の雀荘のチャーハンは、昔のままの味で涙が出るほど美味かった。
結局最後はメンタルだから。何事も深く考えすぎずちょっと適当ぐらいな感じでいきましょう。


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