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戯言感想帖

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購入した本をなんとなく紹介したり、読んだ本の感想を自由気ままに書いたりしています。漫画も含みます。
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2023年4月の記事一覧

『新編・日本幻想文学集成 1』に夢中

『新編・日本幻想文学集成 1』に夢中

例の短編集の感想文を書き終えるまでは『新編・日本幻想文学集成 1』には手をださない、なんて言いながらゴールデンウィークに入ったことを良いことに手をだしたことを打ち明けます。

小説を読んで久しぶりに鳥肌が立ったので、構成とか引用とか小賢しいことを考えず、この感動を素直に書き残しておきたい。

厚みが4cmほどあるこの本では、以下の作品を楽しむことができる。

・安部公房 9作
・倉橋由美子 10

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夢野久作『瓶詰地獄』を読んで

夢野久作『瓶詰地獄』を読んで

何の前情報もなしに『瓶詰地獄』と目にして、ホルマリン漬けの贓物を想像していたのは昨年の3月頃。そんな妄想を勝手にしていたものだから、実際の内容との差に驚くことになった。

しかしたしかに「地獄」はそこにあった。

以下、簡単なあらすじ。

遭難し、孤島に漂着した兄(11歳)と妹(7歳)。
それでも食べるものにも困らず、身体を侵すような害虫もいない。
その島は幼い2人にとっては天国だった。ときに自然

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里見弴『俄あれ』を読んで

里見弴『俄あれ』を読んで

少し前に話題に出した『日本幻想文学集成』を読みはじめるまえに、以前から持っている短編集の感想文を書き終えたいと思う。

昔から私の記事を読んでくださっている方にはおなじみの(?)『文豪たちが書いた耽美小説短編集』から、今回は里見弴の『俄あれ』をピックアップ。

さて。実はこの話、昨年のうちに何回も読んでいる。そして何度も感想文を書こうとして、挫折した。

大変失礼ながらこの小説の面白さが当時の私に

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