「証券投資」とは

はじめまして。Pinanceです。

僕は大学では経済学部に所属し、金融工学とか証券工学とか、はたまた数理ファイナンスなどと呼ばれる分野を中心に勉強してきました。

学生生活と並行しながら、有期雇用でデータ解析員をしていたり、クオンツとして半年間ほど働いたりもしていました。

さて、今後は主に証券投資の分野に大学生活を捧げた僕が、この「証券投資」というものについて考えていることを徐々に発信します。これらのノートを通じて、興味を持つきっかけになっていただければと思って、ノートを書こうと思います。


早速、この記事で扱うテーマは、

「証券投資」

です。ただの証券投資やんと思われる方もいるかもしれません。しかし、この言葉の認識が正しくないと、今後の理解に不都合が生じてくる可能性があります。投資の勉強をしているひとも、今一度、この言葉が意味するものを認識し、次回につなげてもらえると幸いです。

さて最初に、「証券投資」という言葉を、「証券」と「投資」に分けて考えてみます。「証券」は「投資」の修飾語になっていますので、まずは「投資」を明らかにしてから、その中の「証券投資」について考えていくことにしましょう。

まず、「投資」についてです。前述の通り、この投資と呼ばれるもののあくまで一部が「証券投資」になります。この認識を持った上で、進めていきます。

「投資」は言葉の通り、「資を投げる」。辞書によれば、「利益を得る目的で、事業・不動産・証券などに資金を投下すること。転じて、その将来を見込んで金銭や力を注ぎ込むこと」と記載があります。まず、転じる前の元々の意味について考えます。

大前提として、人間は「幸せ」を手に入れるためにお金を使います。もちろんそのお金は自分が自由に使えるものに限ります。そのための手段として、主に「消費」「貯蓄」「投資」があり、今回はその中の「投資」です。投資には上記の通り、「利益を得る」という目的に対して資金を使います。では、「消費」と「貯蓄」はどのような目的で資金を使うのでしょうか。(この辺りは、実は経済学では仮定にすぎず、人間がどのような目的でどういう心情でお金を使うかは完全にはわかっていません。よって今回は、経済学で大体採られているオーソドックスな仮定を用います。)

「消費」は基本的に、「幸せを直接的に得る」ために行います。例えば食事です。みんな、食事に対して金銭を払うとき、美味しい食べ物を食べたいという欲求で、金銭を払いますよね。確かに、絶対に必要なもの〜贅沢品まで、いろいろありますが、どれも「幸せを直接的に得る」という目的は変わらないと思います。

次に「貯蓄」です。これは、「将来的に幸せを得る」ために行います。例えば、高額な商品を買うために少しずつ貯めたり、いつか何か起こったときのために貯めたりします。後者はマイナスに囚われがちですが、貯めておいたことで発生した時のマイナスを補填できているので、結果的にプラスだと考えられます。このように貯蓄は「幸せを間接的に得る」と考えることもできます。

「投資」も貯蓄と似た性質を持ちます。というのも、「利益を得る」といっても、その利益は将来使うから「幸せ」を感じるのです。よって、投資も「幸せを間接的に得る」と考えることができます。

以上より、「投資」と「貯蓄」は似た性質を持っていることが分かります。どちらも、将来的のお金のために、今お金を「投資or貯蓄」しています。このどちらを選択するかは人間の自由です。何割投資、何割貯金など、割合は人それぞれでしょう。よって、どちらが良いかは一概に言えません。ただし、人によって最善の選択があるのではないかと考えられています。よって、今後のノートを通して、その最善の選択に近づく一助となれば幸いです。

さて、投資が持つ「利益を得る目的で資金を投下する」という意味と、「幸せを間接的に得る (≒貯蓄)」という性質を理解したところで、「証券」について考えていきたいと思います。

証券を辞書で引くと、「財産法上の権利・義務に関する記載のされた紙片」とあります。何やら難しいです。しかし、これを要約すれば、「財産」に関する取り決めをした「紙切れ」のことです。この例に、株式、債権などがあります。例えば債権には、金額や利子、返済期限などが記載されています。詳しい説明は後々に行うので今は割愛しますが、こういう難しいものが諸々書かれたものが証券なのです。

では、「証券投資」とは何かです。前述の辞書の意味を重ねると、「財産法上の権利・義務に関する記載のされた紙片に、利益を得る目的で資金を投下すること」です。自分が使うことができる「資金」を「紙片」に投下することが「証券投資」なのです。証券投資を行うにあたって、これが欠けていては投機(=賭博)になってしまうと考えています。あなたが投資する対象は紛れもなく「紙切れ」であることを忘れないでください。

さて、ここで疑問が残ります。証券におけるこの「利益」とは何かです。今回のノートでは「証券投資」という言葉を解明することが目的だったので、次回のノートで、この「利益」について考えていこうと思います。