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イヤシノウタ

タイトルのままに、
心地よい癒しが、
本から指先に伝わって心へ。

こんなにも短い話でも、
私の心は十分というほど癒されて
手元に置いておきたいと思う本。

焦りやイライラや嫌な感情がまとわりつくとき、
この本でリセットしたい。


先日電車に乗っていて、
外は雨で、みんな傘を持っていて、
私の隣に座る人も傘を股に挟んでた。

隣の人はカクンカクンしながら眠っていて、
ある時、カタンと傘が倒れた。

電車の中は結構人がいて、
私たちの前にもつり革につかまる人たち。

目の前に立つ人は、とっさに傘を避けたし、
ほとんど全員がその傘に気付いただろうけど、
視線はすぐにスマホへ。
誰も見て見ぬ気づかない振り。

たしかに、倒れた傘を拾ったところで、
寝ている人の股に挟むのも不自然だし、
「傘倒れましたよ」くらいで起こすのも微妙だし、
本人が起きて気づくのを待つしかないのだろうけど。


でも、もしも、
電車に乗っている人全員が、
吉本ばななの『イヤシノウタ』を読んでいたら…と
想像してしまう。

きっと、私とあなたは違う。所詮、他人。
みたいな冷たい膜で覆わずに、
みんな同じ人間だからと
あたたかい空気が流れるのかもしれない。


地球は青い。世界はどう?
冷たくて寂しくて暗いかもしれない。
でも、そこに灯る光は必ずある。
その光を信じ続ければきっと、世界は明るい。

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