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ちょっと前にヨーロッパ横断をした話8(11/20 スペイン バルセロナ)
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チューリッヒ空港に着いたのは、夜遅い時間だった。
ここで1晩を過ごし、朝早くに出るバルセロナ行の飛行機に乗り込んだ。
基本的に陸路の移動をマイルームにしていたが、今回はどうしても空路でないと旅程の帳尻が合わなかった。
チューリッヒの空港は若干羽田空港と雰囲気が似ている。
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空港には、楽しげなポップミュージックが流れている。バングルズのeternal flame が流れてきた。ボーカルの舌足らずで艶のある声がクリスマスの季節にピッタリと当てはまった。
空港でBGMが流れているのは、斬新だった。
心地よくて自分は好きだ。
翌朝になり、飛行機に搭乗。
冴えない天気のままのスイスに別れを告げる。
ここから一気にバルセロナまで向かう。大体2〜3時間のフライトだった。
飛行機はしばらくすると雲を抜け、晴天の世界へと乗客を誘った。
安定飛行に入り、ベルト着用サインが消えた。
先ほど空を覆っていた雲が眼下に海の如く広がっている。
雲海だ。
アルプスの山脈の上をゆく経路だったようで、山々が雲海から頭を覗かせていた。
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素敵な空の旅を終え、無事にバルセロナに到着。
移動距離を考えると本来なら、陸路で2日以上はかかるはずの旅程が飛行機だと実に2時間あまりで終わってしまう。
しかも、ヨーロッパのLCCは段違いに安い。
今回は40ユーロだったが、路線によっては20ユーロで国際線に乗れる事なんてざらにある。
バスで苦労して移動しても、出費の金額はそう大きく変わらないのだ。
これ以上のことを考えると今後の旅程に支障が出るので、この辺りでやめにしておく。
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空港から地下鉄に乗り市街地へ向かう。アクセスは割と便利だ。
宿の最寄の駅に到着する。
階段を上がるり地上へ出ると、雑踏と行き交う車の喧騒に包まれ、そしてベージュが基調の建物が目に入る。
南欧の国だからか、明らかにこれまで訪れた国とは違った雰囲気を感じた。
4車線の道路を殺気だったスピードで爆走する車たち。東南アジアと同じ匂いがした。
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宿にチェックインする。
キャパは広めの宿で、旅行者と浮浪者が混在する都会のホステルならではの光景だった。
この宿では、17時過ぎに何かしらの料理が振舞われる。
今日は、カルボナーラの日だった。
シェフは大きな鍋を徐に持ってきて、せっせと調理する。
それを周囲の人達は黙って見守る。
何とも言えない空気が漂う。
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翌日から、本格的に街に繰り出す。
昨晩はゆっくり休めたようで、朝早くに目が覚めた。
折角の早起きなので、バルセロナで有名な市場に向かう事にした。
朝早くにも関わらず、自分のように張り切った観光客、さらには露店でモーニングビールを嗜むロケットスターターが数人いた。
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バルセロナの市場はジャンルに富んでいて非常に興味深かった。
スペインと言えばでおなじみの豚肉、ハムは勿論、水産も盛んだ。
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バルセロナの特徴として、都市計画が洗練されている点が言える。
東京のように極端に狭い路地や、くねくねとしている道は見当たらない。
京都のように碁盤目のように区画が割られ、集合住宅が区画を囲うようにそびえたつ。その全貌は後にサグラダファミリアの展望台で見ることになる。
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さて、バルセロナにはある逸話があるという。
バルセロナの随所には飲み水場や洗濯場がある。バルセロナのカタルーニャ広場の水を飲んだらまたバルセロナに戻ってこられるという逸話があったが、自分はそこの水を飲まずともこの旅を終えた後日、再びバルセロナに行く事となった。
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お待ちかねのサグラダファミリアまでもう少し。
地下鉄でサグラダファミリア駅に向かい、駅を降りて程なく歩くと到着する。
地上にでて、遂にサグラダファミリア(以下、教会)と対面。建物の間からニョッキリ顔を出していた。
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近くに寄ってみると、幾つもの連なる塔が目の前にそびえ立つ。
その様に圧巻された。
しっかりと建設中の様子が確認でき、これが「ついに本物を見たか!」感を増幅させた。
早速入場しよう。
チケットは予約制。
予約済みの画面をセキュリティに見せてたあと、空港の手荷物検査場の様なゾーンに通される。
ここをパスできれば晴れて入場だ。
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バロセロナの名建築家ガウディが生前に遺した巨大な教会は、規模もさながらに設計の精巧さに脱帽する。
キリスト教の信仰のために作られたこの教会は、ファザードの彫刻を始めとした随所にキリスト教の神話に基づいている要素がある。
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展望台に登る。
ある程度のところまではエレベーターで登る。
エレベーターを降りた後、ある程度階段で登りバロセロナの景色を楽しむ事ができる。
碁盤の様に整えられているバロセロナの街並みは150年以上前からこの姿だという。
この様に道路が整っていると、車移動も盛んになる。実際に、バロセロナでは大量の車が行き交うのを見た。
そこは街の作りが同じ京都と共通の要素なのかもしれない。
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展望台からは、間近で建設現場を見ることができた。天然石を削る甲高い摩擦音が聞こえる。
当時は、あと4、5年のうちに完成を見込んでいる段階だった。
塔をよく見てみると、最初にみた教会の外壁よりも幾分白さが目立つ。これは、本来なら全てこのだったのが、工期があまりにも長かったためだろうかり
両脇に建つ140年前の塔の色と比べてその差は歴然としている。
工事の進捗を完全に把握していた訳ではないので、正確な所は分からないが教会の3分の1の数の塔が明るい色をしていたため、急ピッチで建設が進んでいるのだろう。
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ガウディの手がけた建築をもう一つ。
カサ・ミラを見に行った。
こちらは外観だけの見学。
貧乏旅行の性で、中へのチケット代をケチってしまった。
日本に戻った後にあの中はどうなってるのだろうと気になっても、その時にはもう手遅れだ。後悔しないためにもケチらない事はこの旅で学んだ教訓となった。
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建築美の世界に浸った後は、少しバルセロナを冒険してやろうと思った。
バロセロナには、トラムが走っている。サッカーでお馴染みのカンプ・ノウを通る路線がある一方、地元民しか乗らない様なマイナー路線もある。自分は好奇心故に後者に乗ってみようと思った。
地下鉄で移動し、トラムの起点駅に乗り込む。
設備は綺麗で雰囲気は悪く無い。
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車内に乗ると、警察官と警察犬かが乗っていた。ここで、何か察するものを感じた。
そう思った束の間、途中の電停から明らかにキマっている様子のおじさんがガラガラの車内にも関わらず、自分の真横に座ってきた。
ロングシートではなく、ボックスシートに座っていたため逃げ場がない。
頼むから何もしてこないでくれとひたすらに祈る。
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トラムはは、どんどん治安の悪そうな団地エリアに入っていく。
怪しい街を走りながら、車内では何やら警官と別のおじさんが口論を始めた。
2人と警察犬は次の電停で下車した後、激しい攻防戦が始まった。おじさんは手持ちの杖を振り回し、警察はバディの犬で応戦を始めた。
乗客の子供は、それを見てかなり興奮していた。
「いぇーい!イケイケー!」
冗談抜きでこんなテンションだった。
警察が下車してしまい、ついに自分の身は自分で守らなければならなくなった。
この車内に耐えかねて、次の電停で飛び出すようにトラムを後にした。
これは参った。観光客が乗ってはいけない路線だった。
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気分転換に海を見に行く事にした。
地下鉄に乗り、海に近そうな駅に降りる。
駅の出口のそばでは移民と思われるアフリカ人たちが、ブルーシートの上に並べたブランド品のコピーを売っていた。いかにも悪徳って感じ。
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海岸には、ヨットハーバーと立派なビーチがあった。市街地の混沌とした感じから一転、端正で開けた景色にギャップ萌えしそう。
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ビーチは程よく空いていて、黄昏るにはもってこいの環境だ。
ここまで、おおよそ半月以上旅を続けてきたが、この時点では、これまでの旅路を振り返る事はしなかった。
なんせ、難所はこれからまだまだあるからね。
(続く)
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