過呼吸

石のような目をしたクライアント」「大腰筋に賭ける」「セッションの可能性、その先」「セラピストの性(さが)」の続編です。

石の目を持つクライアント、彼との最初のセッションは東京でした。そして、2回目は大阪、3日間のリトリート形式です。彼がスタジオまで無事に到着するかどうか、前回のことがあっただけにその時点でセラピストとして心の準備をしておく必要がありました。

当時の彼の状態は強い虚無感によって、現実との接点を失くしていました。自分という存在の希薄さによって、妄想に取り憑かれているような言動も前回のセッション前の会話では見受けられました。

前日、彼女との会話

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治療家(セラピスト、ヒーラー)は隔離された空間の中でクライアントと時間を過ごします。その時間の中では、耳が聞こえなかった人が聞こえるようになったり、一般的な価値観の理解を超えたことが起こります。その中で、何を見て、何を感じ、何が起きたのかについて。あるいは何が起きなかったのかについて、書き記していきます。月に2つから3つの記事を目安に、投稿していきます。

「心理的なこと」と「身体的なこと」。どちらも区別することなく、身体を通して働きかけるボディワークの世界。経験したことのない人からすると、な…

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