ぴくと

医学生。日々のことを気ままに書いています。

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最近の記事

小学生だった私が、病的にハマったゲームのはなし

私が小学生だったころは、ちょうどDSブームの到来時期だった。放課後になると誰かの家で、公園で、いたるところで顔を突き合わせ、みんな通信ゲームをしていた。 「頭のいい大人がみんなをハマらせようと知恵を振り絞ったもの、面白いに決まってる。小学生ごときがそれを理性的にセーブなんてできるわけがない。体が動かなくなってからの楽しみにとっておくべし」という母の方針のもと、我が家に電子ゲームが導入されたことは、残念ながらただの一度もない。妹はこの自粛期間中に「運動不足解消のためにWii買

    • 小学生の自分にバカにされた話

      あるレポートを書いていたときのことである。 「この病気の原因は…」とタイピングしたところでふと手が止まった。「原因」が正しく変換されないのである。 パソコンの変換ミス自体は別に珍しくもなんともない。 専門用語のアクロバティックな変換はしょっちゅうだし、世の中には「漢字変換ミス年間大賞」なんてものもあるくらいだ(個人的には「恋人たちの季節」→「恋人立ち退き説」が好き)。 しかし私が変換したい言葉は「原因」である。 変換できない理由がまるで想像つかない。 ローマ字打ち間違

      • ブログとGmailと中学2年生

        ブログとGmail。 これが私にとってのはじめてのインターネットだった。 あるとき、仲の良い友人がかわいいメモ用紙にブログ名とPCメールのアドレスを添えて私に渡してくれた。お母さんにおうかがいをたてて、家のPCをおそるおそる開いたのを今でも覚えている。 中学2年生だった私にとってインターネットは、大人が使える「特別なもの」であったし、「なんとなく触ってはいけないもの」だった。インターネットを開く時間は、小学生のとき22時過ぎまで起きていたときに似ている。謎のうしろめたさと

        • 輪郭線を引く2020年

          今年は、インプットの1年になる予感がしている。 今まで、常に新しい刺激に触れることが大事だと思ってきた。知らなかったことやちょっと気になることには首をつっこんでみること。それが自分の世界を広げ、豊かにすることなのだと信じて、ちょっと勇気がいったけれど、えいやっと行動したこともあった。 もともと腰の重い私にとってそれは、正直にいうとかなりストレスだった。 自分にない価値観を知ること。普段の生活では出会えないような人に会いにいくこと。どんどん自分の世界は広がっていったけれど

        小学生だった私が、病的にハマったゲームのはなし

          クリーニング屋さんになりたかった

          この間の休日、久しぶりに遠出した街でふと、クリーニング店が目にとまった。そういえば小学生くらいまでクリーニング屋さんになりたかったなあ、と思い出した。 母の仕事帰りや妹のお迎えのついでによるクリーニング屋さんは、入って扉を閉めるといつも静かだった。大量の服が音を吸収するからなのかわからないけれど、雑然とした空間には似合わないほどの静寂がそこにはあった。 なんとなく大きな声を出してはいけない気がして、母がスーツを出したり店員さんがもってきてくれたシャツを鞄にしまう間、私

          クリーニング屋さんになりたかった

          地味に嬉しい、よね

          ICカードをタッチして改札を抜けると、残高がぴったり0円だった。 ここのところ1円単位の端数がずっと残っていたから、ちょっと残っていた冷蔵庫の中身を一掃したような、小さなすっきりを覚えた。偶然ではあるけれど、だからこそ、嬉しい。 地下鉄の駅から地上に出ると、夏らしい夕暮れの空が広がっていた。 だいぶ日が長くなった。この時間でもまだ明るい。 沈みかけの太陽の光を反射した雲が、柔らかい白色で、なんだか安心する。 きれいな空を見れた日は、どんなことがあっても元気になれる。

          地味に嬉しい、よね

          ピアノが弾きたくてたまらない話

          最近、ピアノが弾きたくてしかたがない。 困ったことに、我が家には愛すべきピアノ様の居場所はつくれそうにもなく、どこか手軽に弾けるところがないか、近場のスタジオをググる日々が続いている。 5歳のころからピアノを習い始めた。習い事としてピアノを弾いていた頃は週1回のレッスンがある以上、「弾きたいな」という心にしたがって弾いていたというよりは、「練習しないとな」と思ってピアノに向かっていた、という方がしっくりくる。 最初は譜面とにらめっこしながらたどたどしくしか弾けないのに、

          ピアノが弾きたくてたまらない話