【読書記録】ハンチバック/市川沙央
復職2日目、明日は休み!
復職についてはまた折を見て更新するとして本日は読書記録です。
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芥川賞を受賞した際の会見を見て、ずっと読んでみたいと思っていました。
生まれつき障害を持ち、生活の介助が必要な主人公釈華。
釈華はWebライターとして活動しており、冒頭はそのライティングの内容から始まります。
ワードプレスに入稿していました。←同じライターとして少し親近感がわくも、これは本当にこの障害を持っていないと、そして考え抜く強さ、文学的センスがないと描けないと感じるとても鋭い作品でした。
「普通の女がしているようなことをしてみたい。」
上記のようなフレーズを聞いたとき、皆さんは何を思い浮かべますか?
恋がしたい、思いっきりアウトドアを楽しみたい、ウインドウショッピング、友達とわいわい通学、みんなで居酒屋で盛り上がりたいなどなど。
釈華ももちろん上記のようなことはしたかったはずです。
しかし焦点はそんなぬるい部分に当たらない。
妊娠して中絶してみたい、もとい妊娠しても産めない体だから、妊娠までは普通の女のようにしてみたいと釈華は願うようになります。
ラストは本当に衝撃で、あれは釈華の妄想だったらどれだけ良いかと私は思いました。(いや、妄想とういう線もあるのだ)
市川沙央さんだから書けた、突っ切ったラストです。
なんとkindle Unlimitedに登場していたのです!
速攻ダウンロードして読みました。
『ハンチバック』の中で主人公釈華は「紙のにおいやページをめくる〇〇が好き」のようなぬるい感情を厳しく非難していました。
釈華は障害のため紙の本を読む体勢になると少しずつ背骨が変形してしまいます。
命を削って紙の本を読んでいる。
私は身体の障害はありませんが心は障害を抱えていると言っても良いと思います。
なので人の痛みや悲しみや怒りには敏感だと自負していました。
でもそんな考えがふっとぶぐらい自分は健常者として傲慢だったということに気づかされました。
もしkindle Unlimited登録したことない方いたら無料体験できるので読んでみて欲しいです。
素晴らしい作品でした。
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