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エピソード7 『銀河』

こんにちは

この番組は、昭和型板ガラスの話
そして、昭和型板ガラスにまつわる想い出の話をお届けする番組です。

お届けするのは、メモリーコレクター 吉田です。

本日ご紹介するのはT様からいただいた想い出です。
題名は『銀河』です。

それでは、ご覧ください。




『銀河』

40代半ばの両親が店舗兼住宅を新築する時,私は静岡の実家を離れ東京で寮生活を送っていました。

それでも毎週末には帰省しており,インテリアもいろいろ選ばせてもらえました。
引き戸が好みだった父が選んだ玄関入口のガラスは『石目』。

和洋折衷の玄関窓や自分の部屋には

私が一番気に入った『銀河』を選びました。

本当は全部『銀河』にしたいくらいでしたが,工務店の勧めもあって水回りには『夜空』を。
当時はガラスの名前など知りませんでしたが...

ガラスが入ってから初めての帰省時,わくわくして玄関窓を見ると,なんと『夜空』でした。
忙しくしていた両親は気付かなかったと...

悲しくて切なくて,どうしても『銀河』に思い入れのある私は,やり直してもらえないかと涙ながらに頼みました。

どこで手違いがあったのかは分かりませんが,なんとか交換してもらうことができました。
卒業後,実家に戻り,2階から降りる階段の先に『銀河』を目にするたび,笑みがこぼれる私でした。

それから20年後に父は亡くなり,その家も10年ほど前に解体されました。

先日,自然食品の店を営む若い友人がリニューアルオープンした移転先を訪れた際,『銀河』との再会。

中古の事務所をリフォームし,窓ガラスは素敵だったのでそのまま残したとのこと。
懐かしい想い出がよみがえってきました。
一緒にいた母に興奮気味に話してみましたが,「そんなことあったかなぁ...」と残念な返事。

90歳になろうとしている母の介護生活 13年目。
あの頼もしい母の姿も,遠い想い出です。

それと...
新築中の仮住まいとして敷地内の倉庫に設けられた6畳間。
西側の窓ガラスがキラキラ光り,「ダイヤモンドみたいにきれい...」と陽が傾くまで見入っていたこともありました。

今になって知るそのガラスの名前は,まさしく『ダイヤ』でした。

懐かしい『昭和レトロガラス』を,器や装飾品として手元で愛でることができ,pieniさまに心から感謝しています...♪

私の愛読している聖書の中に,こんな言葉があります。
「あらゆる勤勉な働きには価値がある」
どうぞ,これからも製作者たちの想いを受け継ぐ価値ある活動を続けてくださいね。



ありがとうございました。

『銀河』との出逢い。
型板ガラスはただのガラスではないと思います。
そこに住む人に何かのメッセージを伝えているのか. . .
いつまでも心に残るガラスへの想い
そのガラスがつなぐ家族との思い出
昭和の想い出と共に残していきたいと願います。

『銀河』はとても魅力があるガラスの一つです。
多くの方に愛されているガラスです。
たくさんの家に使われていたということだと思います。
『銀河』は私の家に使うことになれば真っ先に候補に上がるでしょう。

ガラスを切る際にはいつもじっくりと考えます。
『銀河』は特に考えます。
どこを切り取ったら良いのか?
星のどの部分が好きなのか?
大きい星 小さな星達 いろいろな表情があります。
残念ながら作品にできないところも出てきます。
作品ごとに大きさが違うので無駄のないように切り取り、少しでも作品にできるようにしています。
『銀河』など切り取るところによって表情が違うガラスは、作成後に写真を送り気に入った作品をお届けしています。
想い出のガラスがお手元に届くように。

このプロジェクトを始めたきっかけは自己紹介でもお話をしましたが、お客さまが型板ガラスを見て懐かしさのあまりに声を出しています。
その声を聞いていると、この型板ガラスには秘めた力があるんだと感じました。

私も小さい頃から今まで46年間、型板ガラスに囲まれて生活をしてきました。
ガラスだけでなく、思い返すと記憶のあちこちに家族との想い出とつながる物や匂い・感触などが蘇ってきます。
型板ガラスは、その中の一つでしかありません。
この一つのきっかけで、家族がいつまでも繋がっていけるような
ステキな日本になれば良いと思っています。

pieni


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