見出し画像

ハウスクリーニングチームと空き家の片付け①【空き家対策特別措置法】を学ぶ

こんばんは! 
眞秀(まほろ)です🍀

ケントも書いていましたが、私たちシェアハウスの住人たちは、今、別のシェアハウスに住んでいるハウスクリーニングチームと一緒に、郡山市郊外にある空き家の片付けと清掃作業をしています🐱

住まない・活用しない「空き家」の“贈与”という選択肢

空き家は和室が続く築70年の日本家屋。平屋の立派な建物でした。代々農業を営んできたおうちで、母屋のほか、外に大きな納屋や家畜を飼育していたと思われる古い小屋もありました。

今回の作業の依頼者は、空き家近くでイチゴのハウス栽培を手掛ける農業法人の経営者Kさん。

今回の空き家には、もともと高齢のご夫婦がお住まいでした。
お二人が亡くなり、東京にお住まいの息子さんが土地と家屋を相続。

しかし、お仕事の関係もあり、実家の管理が難しくなり、以前からの知り合いであるKさんに「土地と家屋を“贈与”したい」と申し出があったそうです。

申し出を快諾したKさんは、作業中の休憩所や資材置き場に改装するため、ハウスクリーニングチームに「家の中の物の撤去とクリーニング」を依頼してくださいました。

最初は、古い空き家とはいえ、家族や親戚以外の方に、生まれ育った家を贈与(無償で譲る)するのは、ちょっともったいないような、気持ちが落ち着かないような気がしたのですが…

私たちのシェアハウスの運営者であり、今回の作業チームのリーダーでもあるTさんに

「固定資産税や管理にかかる費用を考えると、活用してくれる人に贈与したほうがずっといい」と言われ、なるほど…と納得。

愛着のある実家とはいえ、住んでも活用してもいないのに、不動産を所有しているだけで固定資産税はかかるし、庭木の手入れや草むしりなどのために東京から通うだけでも大変です。

農村部では、空き家となった古い家にハクビシンやタヌキなどが棲みついたり、庭木にハチが巣をつくったり、ゴミが不法投棄されたりして、問題となっているそう。

住宅街でも、伸びすぎた庭木が道路にはみ出し、通行の妨げになっていたり、草が生い茂ったりしている空き家をよく見かけるようになりました。

固定資産税が3倍から6倍に!空き家解体が進まないワケ

空き家の片付け前に少し調べたところ、空き家は全国的に増加傾向にあり、居住目的のない空き家は1998年から2023年の20年間で約1.9倍に増加。

6年後の2030年には、なんと全国で約470万戸が空き家になる見込みだそうです。

調べていくうちに知ったのですが…

固定資産税(場所によっては都市計画税も)には、『住宅用地の特例』という優遇制度があり、土地が住宅用地の場合、空き家であっても「家が建っている」だけで、税額が更地の3分の1から6分の1になるのだとか。

むしろ空き家を解体して更地にしてしまうと、特例が解除されてしまい、固定資産税が高くなってしまう❗️

そのため空き家所有者の中には、税額を抑えるため、空き家を解体せずに所有し続けるケースが見られ、これが空き家の解体が進まない要因の一つとされているそう

(解体費用だけでも高額なのに、更地にしたら固定資産税が高くなってしまうのでは、空き家の解体が進まないのは当たり前かも…)

こうした事態に対応すべく、平成27年度、空き家に関する法律「空き家対策の推進に関する特別措置法」が施行されました。

この法律により、自治体が「倒壊、火災、衛生上の問題などがあり 、放置すると、周辺地域や住民にさまざまな悪影響をおよぼす可能性がある空き家」を「特定空き家」に指定し、解体などの行政代執行することが可能になりました。

「特定空き家」に指定され、自治体から「修繕」などの勧告を受けてしまうと…
・維持費や修繕費の負担
・勧告を無視した場合は50万円以下の過料
・解体などの行政代執行が行われた場合は、費用負担も発生。自分で業者を選べないことから高額になるケースも
・固定資産税の「住宅用地の特例」が解除され、税額がこれまでの3倍から6倍に❗️

さらに令和5年12月、法律が改正され、自治体が「放置すると『特定空き家』になる可能性がある」と判断した空き家を「管理不全空き家」に指定することが可能になりました。

「管理不全空き家」は、いわば「特定空き家予備軍」
現在は「特定空き家」に指定されていない空き家であっても、自治体から「このまま放置すれば『特定空き家』になる可能性がある」と判断され、「管理不全空き家」に指定されてしまうと…

「特定空き家」と同じく、固定資産税の「住宅用地の特例」から外され、税額が3倍から6倍になる場合も。また、現在全国の自治体がおこなっている空き家対策のための助成金や控除が受けられなくなる可能性もあるそうです。

「総合的に考えると、住んだり、活用したりする気のない空き家は、活用してくれる人に贈与してしまったほうが、贈与する人にも贈与された人にもメリットがあるんだよね」というTさんの話に、ただただ頷くしかありませんでした。

個人的なことになりますが…

実は私の母も、空き家となった実家の土地と家屋を相続していて、手放したいという思いと愛着の間で揺れ動き、いまだに決着をつけられずにいたりします😿

今回の作業で、母親の悩みを解決するヒントが得られたらいいのですが…

いよいよ作業スタート!

作業期間は5日間。
最初の3日で物を撤去し、4日目に全体の清掃、5日目が仕上げの清掃と引き渡しです。

今回は
・シェアハウス運営者のTさん
・私たちシェアハウスの住人4名(1名は県外出張中)
・ケントがお手伝いしている林業の会社の方1名
・ハウスクリーニングチーム2名
の総勢8名で作業にあたることになりました😽

作業前日、ホームセンターで大きなゴミ袋(90リットル×50枚、70リットル×100枚)を購入し、段ボールや土嚢袋、使用済みの米袋、家具の解体用のハンマーや電動ドリルなどをハウスクリーニングチームの軽バンに積み込み、当日朝、三春町を出発。

午前8時から1日目の作業がスタートしました。

この続きは後日またご紹介しますね🍀

この記事が参加している募集

ふるさとを語ろう

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?