50代転職日記　#12

転職先が決まって、3年前に現職の会社を辞めた元上司に連絡を取った。転籍前に部署が解体されたときの上司で今は東京でベンチャー企業のCIOをしている。
初めはLINEでテキストのやりとりだったが、話したいことがありすぎて音声通話に切り替えて2時間も話して、それでも足りなくて「東京に行きますので飲み会しましょう！」と言ってしまった。
内定前の1週間で「もう会うことも無いだろうな」と思うような人たちに偶然会えたとき、「今後このまま会わないまま死んでしまうのは寂しいな」と思う人が数人浮かんで、何年かかっても元気なうちにその人たちに会いに行くことにして、その中のひとりが元上司だった。早速1泊2日の宿泊付き航空チケットを購入した。
飲み会には、東京にいる元社員や現役の社員の8名が来てくれた。辞めた後のメンバーは離合集散を繰り返してあちこちの会社で根を張っている。
東京は楽しそうだ。無理してでも拠点を移しておけば良かったのかな、と今更ながら後悔する。
昨日お試し出勤した新しい会社の「イケてない部分」を面白可笑しく話そうと思ったが辞めた。私は、この人たちを今の会社に迎えたとき、縄文時代にタイムスリップさせた張本人である。
なんで社員全員にメールアカウントが無いの？
ワークフローが使いにくいよ。
貸与されるパソコンが激重。
その他枚挙に暇がないくらい「イケてない」会社だったのを今目の前にいるメンバーが中心となって快適環境になったのだった。我に返った私は今後は新しい会社で出来ていないことをあげつらうのは止めよう、と踏みとどまった。
またいつか、この時の心境を素直に話せる機会があればいいな、と思いつつ、会がお開きになった。
また来週、新しい会社へ出社する。へこんでなんか居られないぞ。