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鈍感

新しく降り立ったその地
ここからは様々なものが見えるはずだった
でも見えているのは自分ばかり
それじゃあ楽しくなかったよ
もっと注げたはずだから
見えているようで見えてないもの
もう少しナイーブだったら分かってた
だからもっと磨かないと
研ぎ澄まさなくてもいい
でももっと敏感に
もっと慎重に

喜び喜ばせられたなら

気づけるはずのこころを
知らないままで
自分以外に敏感になれない自分ばかりの選択
甘えの構造
誰かとの関わりを閉ざしてしまう
これは厄災か
関わると負担をかけてしまい
甘えると火傷させてしまう
だから一人歩いてゆく

そんなの不可能なのにね

その土地は曇り
はっきりしない生温さ
山と空の境がぼやけ遠くは見えずに
くり返す
思い出して
あの時のこと
ただ夜を待っていて
こころの中では叫んでいる
夜になると歌が落ちてくるから
耳を澄ますと聞こえる気がするよ
昔に聞いた音
その時の声
夜だから
でも記憶もフェードアウト

見えないことが見えたとき
鈍感で分からないことばかり
誰もが補助し助けてくれたが
様々なものを傷つけた事実は変わらない
何も戻らず何もない
だからもっと敏感に
もっとやさしく
なるべきだった

なれるはずと叫ぶのは
なんだろう
信じられないことに
世界の力にささえられている
今はその力を信じようとしているから
とか
助けの手
その時の音
省みれば思い出し歩いてゆける
今からは新しい道
だけど忘れはしないよ
鈍感の行方



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