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六本木センチメンタル散歩

六本木ヒルズを散歩していたら、ウエストウォークの植え込みにたくさんのオリーブがなっているのをみつけた。

オリーブは秋に結実するんだな〜と思いながら写真を撮っていると、外国人らしい見た目の人が電話をしながらオリーブの実をむしっていた。

むしってはパーカーのポケットに入れ、わたしがそこにいる間に次々とむしっていく。

ジロジロ見るのもはばかられたので立ち去ったが気になった。やはり漬けて食べるのだろうか。

そういえば春になるとグランドハイアットの植え込みにも細いタケノコが生えてくる。

こういうものを取るとやっぱり犯罪になるのだろうか。

昔、通っていた小学校の隣にスポーツクラブがあって、そこのサルビアの蜜を吸ったりしたがあれはどうだったのだろう。子どもだからと見逃されていたのか。

大学の銀杏並木には秋になると銀杏ジジイ・ババアという夫婦?が出没していた。あれは学生の誰もが知る存在だったがどうなのだろう。

公園でドングリを拾うのは大丈夫な気がする。

用事を済ませてスターバックスで一息ついているとGoogleフォトが3年前の今日の写真を見せてきた。

どうやら3年前の今日はサークルの先輩だった加藤さんという男性と旅行していたらしい。

加藤さんは運転が好きだったので、付き合っている間わたしが計画し、加藤さんが実行に移すという形で色々なところへ行った。

秋芳洞やカルスト台地、吉田松陰の家、門司港。記録写真のように風景だけが写されていた。

時々風景の中に加藤さんの後ろ姿だけ小さく写り込んでいた。加藤さんは写真が嫌いな人で、正面から撮ると嫌がるのだ。わたしは仕方なく、写り込みを利用したり風景を撮るふりをして彼の姿を形に残そうとしたのだった。

泊まったホテルで喧嘩したことも思い出してしまった。萩の街は一方通行が多く、目的地に行くのに難儀してしまい、わたしの旅行計画が十分でないと加藤さんは腹を立てたのだ。

そしてこの旅行の直後、加藤さんのアパートに置いていた荷物が実家に送られてきたのだった。そういえば送られてきたのは荷物だけで、わたしは彼から別れの言葉を聞かなかった。

3年後こうして娘のあたたかさをお腹に感じながら散歩できていてよかった。

加藤さんのことはとても好きだったが、今では夫のことがとても好きである。結婚という経験をさせてくれたこと、こんなにかわいい娘をくれたこと、感謝してもしきれない。ココアを飲み干すと娘の寝息を胸元に感じながらスターバックスを去った。

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