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ショッピングの収穫は思考②

前回の「ショッピングの収穫は思考①」の続き。

②お店のターゲットは?


規模の大きいアウトレットモールのショピングは歩いて回るだけで一苦労だ。
店を回っていると色々な店員さんの光景を目にする。

大きな声を出して呼び込みしている店員さん。
タイムセールの看板を持っている店員さん。
ニコニコしている店員さん。
とにかく声かけを頑張っている店員さん。
ガラリとしているから暇そうに立っている店員さん。

同業者なので、頑張っている店員さんの気持ちが痛いほどよくわかる。

「ニコニコしていて、明るい店員さんがいい」
そんなことは頭では理解しているけれど、
毎日毎日そのモチベーションを維持できるわけではない。
なんとか維持しようとして、
声を出してみたり、エナジードリンクを飲んだり、
必死にもがいている姿も想像できる。

心の中で「おつかれさまです」と呟いた。


「10軒目に訪れたお客は何をみる?」

ショピングも後半になり、訪れたあなたはどんな状態ですか?

そう!疲れているんです!!

「これいるかな?」
「似合うかな?」
「どっちの色がいいかな?」

数多くの判断をしてきたショピングの後半は、
明らかに判断力は低下し、思考停止状態にある。
正常な判断ができない状態だ。

そんな時に色々話をされても、
まったく話が入ってこない。
そんな経験は皆さんもあるのではないでしょうか。

ではこのことを踏まえて、
お店側はどう考えていけばいいだろうか?
について考えてみたいと思う。


来店客のパターンを切り分けて考えてみる。

 ①1番初めやショッピング前半に訪れるお客。
 ②ショッピング後半に来店するお客。
 ③来店したことがない・フラッと入ってみただけのお客。

このざっくりと分けるとこんな感じ。
そして、このパターンによってお店が行う打ち手が違うということだ。


①1番初めやショッピング前半に訪れるお客。

お客の視点でみると、このパターンの方は、
お店に行くという行動の優先度合いが高いとえる。
「まずはあのお店を見てみよう」
と真っ先に訪れてくれるお客。
そういった方はエネルギーに満ちている。

つまり、お客にパワーがある。

この時のお客は
「よし。何か探しだすぞ」と意気込んでいる人もいるので、
多少、売り場の陳列や動線が崩れていたとしても、
お客自身が探し出し、必要かどうか考え判自ら判断してくれる。

なので、このパターンのお客に対しては、
「少し宝さがし的な要素を残しておく」ことが大切だ。


②ショッピング後半に来店するお客。

このパターンのお客はとにかく疲れている
「判断」によるエネルギーを使い果たし、正常な判断はできない。
そうすると、このパターンに対しては、
とにかくお客に思考を使わせないようにすること。

つまり、「わかりやすい構成にすること」だ。

「これはアナタのためのものですよ」
と語りかけるように構成すること。


①と②を分かりやすい事で例えると、
「一日中買い物たくさんして歩き疲れた状態で、
ギュンギュンに詰め込まれた古着屋で服を探す気にならないよね」



③来店したことのない・フラッと入ってみただけのお客。

「何のお店なんだろう?」
「何か自分に合うものあるかな?」
そんな気持ちで来店するお客には、VPキャッチで店内へ誘導する。
少しでも長く滞在してもらい、店を知ってもらうことが目的だ。

次回にアウトレットモールを訪れた時に、
高い優先度で自店に来てもらえるように構成することが求められる。


以上の考え方について、
お店にはブランドコンセプトがあり、
好き勝手にはできないことは多いだろうけど、
お客の心理状態にフォーカスをおいて打ち手を考えてみることが
重要であることは間違いない。

テクニック論などは語るとキリがないのでここでは述べないが、
このお客のパターンを違うことで置き換えてみると、
食品スーパーのパターンに落とし込んでみると理解しやすいかもしれない。


食品スーパー(魚) 
朝:    魚を丸ごと販売→ 魚をさばける人が買いに来る。
昼:    3枚おろし  → 夕飯の支度。主婦層。
夕方・夜: 刺身     →調理の手間がないので楽。
              仕事帰りのサラリーマン。

時間帯によって来店する目的が違ってくる。
だから、それに合わせて魚の状態を変化させているのだ。

このように、
お客側の心理状態に当てはめて施策を考えていく。
ものすごい大きな数字の変化が起こるわけではないかもしれないが、
狙ったものが、狙い通りの売れ方をしていく。
このことで本当の楽しさを感じることができるのではないかと思う。




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