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思い出つらつら

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過去の思い出をつらつらと書き溜めていきます。 ※物語の内容は事実を保証するものではありません。 ※登場する人物、団体などはすべて架空のものです。(一応)
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記事一覧

青春時代 第14話(最終回)

それは俺が三年生になってしばらく経った頃だった。

後輩たちの世代の演劇の地区予選が行われる事になり、その司会進行役として、前回地域予選で優勝した高校の俺とヒロインの彼女に白羽の矢が立ったのだ。

彼女との接点がないとコミュ障スタンド効果発動で全く話せなくなる俺は、もちろん二つ返事でOK!

後は彼女が引き受けてくれるかどうかだが……。

どうやら引き受けてくれたらしい!

ヒャッッッッホゥ

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青春時代 第13話

特に書くべき事もないので。

運命の県大会ですが。

結論から言うと、勝ち抜けられませんでした。

みんな精一杯頑張りましたが、あと一歩届きませんでした。

帰りの電車は最初はお通夜の様でしたが、途中から吹っ切れたのか、笑いが飛び交う様になっていました。

俺は一人ブラックホールの奥底から脱 出できませんでしたが。

そして、実は、ここまでの間に俺たちは高校二年生になっています。

そして、以

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青春時代 第12話

さて、県大会に向けて、審査員の方々からのアドバイスを生かして色々と見直した。

ミュージカルなんだから歌と踊りは重要な要素だ。

ダンスにもっとメリハリをつけて動きで魅せるようにする為、柔軟運動と耐久力をつける運動の時間を増やし、ダンスの練習に時間を割くようにした。

音楽に負けない声を出せるよう、腹筋も鍛えるようにして、発声練習も強化した。

演出面でも、舞台全体ではなく、会場全体を使うと言う

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青春時代 第11話

何だかんだで合宿も無事終わり、県大会に向けてまずは地区予選に出場する日がやってきた。

まあ、その間は、特に面白いエピソードは無かったんで、パス。

地区予選は、県民会館で行われる。

ここで勝ち抜いた学校が県大会に出場する権利を得られるのだ。

会場入りすると既に舞台でリハーサルをやっている学校があった。

ちょっと見てみると……。

ヤバい!うめーよ!

こんな学校たちと勝負するのかよ

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青春時代 第10話

合宿半ば。

体育館での練習中。

突然H先輩が俺を呼び出した。

「おーい、ピコー。ちょっとこっちへこーい」

「はーい、なんすかー」

よく見ると先輩の隣には彼女も立っている。

近くへ来ると、先輩が説明を始めた。

「脚本では、最後のところで、誘拐犯のリーダーはヒロインを好きであるがために、厄介ごとに巻き込みたくなく、別れる決断をするという流れになっている。その「好きである」とい

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青春時代 第9話

合宿翌日。

朝早く目が覚めた俺は、何となくブラブラと外を歩いた。

そして体育館に入ると、ドキッとした。

体育館の2階のテラスに、彼女が居るではないか。

思い切って声をかけて見た。

「お、おはよう!!」

彼女は満面の笑顔で振り向き、手を振って来た。

これだ!

この笑顔なのだ。

この笑顔に惚れ込んでしまったのだ。

昨日の事もあったのでちょっと心配してたから、勇気を

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青春時代 第8話

合宿当日。

みんながそれぞれ宿泊準備をして集まった。

荷物は体育館の奥にある宿泊施設に置いておき、いよいよ特訓の開始だ。

と、その前に、俺の方から、今回の特訓に一緒に付き合ってもらう事になったOBのH先輩を紹介します。

H先輩は俺の友達のお姉さんで、たまたま別なイベントで以前から知り合っており、今日の事を聞きつけて、応援に来てくれました!よろしくオネシャス!

では、改めて特訓開始!

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青春時代 第7話

そしていきなり文化祭。

あんまり書くことがないので、ちょこっとだけ。

まあ、全校生徒を集めて発表するんですが、中には観るのもめんどくせぇって奴も大勢いる訳ですよ。

そいつらをいかに引き込むかが俺たちの腕の見せ所なのです。

舞台が始まると、早速野次が飛び交いますが、無視して堂々と演じます。

ヒロインが出てくると、男どもが歓喜。

だって可愛いからね!!

そして、ヒロインが俺と手を繋ぐ

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青春時代 第6話

さて翌日、部活動のみんなに新しいヒロインをさも自慢げに、興奮気味に紹介する俺。

初心者なので色々教えてあげて下さいと言うと、女子部員のNさんがやけに親しげに話している。

どうやら同じクラスだったらしい。

だったら最初から言ってくれれば、スーパージャパニーズドゲザで頑張らなくても一緒に頼めば良かったじゃん!と思ったけど、今となっては結果オーライ。

気にしない、気にしない。

だって憧れの彼

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青春時代 第5話

間違いじゃないよね!?

珍しい名字だから間違いじゃないよね!?

下の名前もあってるし!!

夢でもないよね!!ほっぺをつねって見たけど痛い。

俺は何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も見返して、深呼吸してもう一回見返して、間違いじゃない事を確信した。

この時点で、もう他の女の子を選択肢に入れるなんて考えは全く無い。

いかに片思いの彼女にヒロイン役をやってもらうかに考えが集

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青春時代 第4話

曲作りもそれなり順調。

演技の方も、Cさんがグイグイ引っ張ってくれるからかなり有難い。

踊りの方も何とか形になって来た。

大道具も、男子達が踏ん張ってくれて行けそうな予感。

全てが上手くいきそうだった。

そう、あの日までは。

ある日。突然、演出家のIさんからみんなに重要な話があると言う事で、部室に集まるよう指示が来た。

何だろうと思って部室に行くと、誰も内容を聞かされてないみた

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青春時代 第3話

さて、先輩方が居なくなって気がついたけど、俺と同じ1年生は実は他にも居た。

超美人で演劇にも詳しいCさん。他にも演劇をやった事のあると言う女の子が二人、NさんとIさん。

アレ?俺以外全員経験者?

じゃあ、他の人が部長やった方がよくね?

って言ったら、ガン無視されたけど、色々とやる事を教えてくれた。

当面は学園祭で演じる劇を決める事。演劇部担当の先生にヌー先生と言う人がいるから、まず

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青春時代 第2話

とりあえず、難しい演技指導とかはしなくて、簡単な発声練習をやらされた。

体育館の裏で先輩が大声で叫ぶので、それにしたがって続いて叫ぶのだ。

アメンボ赤いなアイウエオ
トテトテたったと飛び立った

などなど

当時はインターネットなども無い時代。なんでそう言うかは分からないけど、ひたすら覚えて言うしか無かった。

さて、いきなり時は過ぎ、演劇部の発表会の日がやって来た。

題目はサロメ。

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青春時代 第1話

俺が高校1年の時。

元々絵を描く事が好きだった俺は、美術部で油絵を黙々と描いていた。

そんなある日、美術部の女の先輩が声をかけてきた。

「ピコくんってコンピュータやってたりして、機械いじるのが得意なんだって聞いたけど本当?」

「ええ、そうですねー。得意な方っすよ。なんかあったんですか?」

「演劇部で、照明を担当してくれる人を探してるんだけどできそう?」

「うーん、見てみない

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