条件つき極値問題 | ラグランジュの未定係数法
(1) はじめに
この記事では「ラグランジュの未定係数法」を扱います。とりあえず、比較的容易な問題を実際に解くことによって、使えるようになることが目的です。
簡単な「偏微分」の知識(使い方)を前提とします(↓)。
(2) 条件付き極値問題
極値とは?
この記事では、極値とは「ある制約条件の下での、『最大値』または『最小値』のこと」とザックリと定義しておきます。
「なんで?」ということは考えず、とりあえず、具体的な「条件つき極値問題」を「ラグランジュの未定係数法」を用いて解いてみます。
例題1
例題2
やり方・やることは、さきほどの例題1とまったく同じです。
制約条件の式を、( )= 0 の形に変形して、λ( )の項をx+yに付け加えます。
上の3つの式をゴチャゴチャっと計算すると、次の答えを得ます。
( x , y )
→( 1/√3, 1/√3)で極大値 2/√3
→(-1/√3, -1/√3)で極小値-2/√3
結びにかえて
「おそらく」だけれども、数学を専門にする人が見たら、「説明が雑だ!」とか「正しくない!」と言われるかもしれない。
この記事で挙げた問題は、ある参考書から持ってきたが、その説明はもっと厳密になされている。ほんとうは、数学なのだから、厳密さを最優先するべきだろう。
しかしながら、数学の練習問題は「パズル🧩」みたいな面がある。というのは、練習問題である以上、「答えがある」ということがあらかじめ分かっているからだ。
たとえば、この記事で挙げた「例題2」の問題。
一応「ラグランジュの未定係数法」の練習問題として掲げられていたから、「ラグランジュ未定係数法」を用いて解いてみたが、こんなしち面倒くさい計算をしなくても、答えだけ出せばよいのなら、もっと簡単に解ける。
「例題2」を見れば、2つの式がいずれも「対称式」であることがわかる。対称式とは、「xをyに、yをxに置き換えても、同じ式になるもの」である。
つまり、求める答えは、x=y を満たすことが明らかである。
だから「x=y」なのだから、この問題は「2変数の問題」ではなく、事実上、比較的な単純な「未知数が1つの方程式」を解く問題になる。
このようなことは、「記述式の問題」としては、数学の問題としてたいへん優れているのに、かつてのセンター試験のように「マークシートの問題」になった途端に、ただ答えを出すための「つまらない問題」に変わるのと少し似ている。
とか言って、大学数学の問題は、ただ答えを求めるだけでも難しいので、数学が専門ではない私のような経済学部の者は、とりあえず答えが出ればそれで満足だ、みたいな感覚がある。
私のように数学が苦手な者が、数学の本質的な意味をきちんと考えたいならば、中学生レベルあるいは高校生レベルの数学が関の山である。
大学で学ぶ数学の本質というか、大学数学を「腑に落ちる」ような感覚で理解することは、私の力量を超えている。