一語の宇宙(6) | that
(問題)
次の英文を日本語に訳しなさい。
(制限時間30秒)
I think that that that that man used was wrong.
(ヒント)
「that」が4つ並んでいるが、
1番最初の「that」は、 I think that 主語+動詞の「~だと思う」という節(せつ)を作るthat。
2番目の「that」は、「that」という言葉そのもの。
3番目の「that」は、関係代名詞の目的格のthat。
4番目の「that」は、「あの男」の「あの」を表す指示語。
1番目と3番目の「that」は省略することができるので、この文の骨組みを示すとこうなる。
I think [ "that" (that man used) was wrong].
(解答)
私は、あの男の「that」(という言葉)の使い方は間違っていると思う。
できただろうか?
実際には、こんなに「that」が並ぶ文はないだろう。クイズ問題のために作られたように文だ。だから、できなくていい。
それでも私がこの文を敢えて挙げたのは、「『that』という簡単な言葉ほど、多様な使い方がある」ということを伝えたかったからだ。
「that」の「コアの意味」(中核をなす意味)は、「あの」という意味。指差ししながら、相手の視線や注意を対象物(事)に向けさせる役割を担う。
中学生の英語の時間に最初の頃に習う「あの~」というコアの意味が、多様な使い方を生んでいる。
相手に指差しをしながら、「あれ」と導くというか、注意をひくというのが「that」の本務だ。
「I think that S + V」は、
「私はね、『that』以下のことを思ったの」と相手の注意をひくために使われる。意味らしい意味はないから、省略してもいい場合が多い。
雑記的な
「that」の用法を網羅して記事を書こうとすると、一冊の本にしても足りないくらいあるので、覚えておいたほうがいい表現を二つのだけ紹介するにとどめる。
I have a dog and a cat. This is white and that is black.
この文の「this」と「that」。どちらがどちらを指すかわかりますか?
「this」は「これ」なので、近いものを指し、「that」は「あれ」なので遠くのものを指します。
だから、「this」に(文章の中で)近いのは、「a cat」になります。「this」は「後者」になります。
また、話は変わりますが、
小説を読んでいると「With that, …」という表現を頻繁に見かけます。
「そう言うと」という熟語表現として覚えておくとよいでしょう。
なんで「With that」が「そう言うと」という意味になるのかは、「一語の世界 / with 」の回に説明するつもりです。忘れてしまう可能性大ですけどね🤣。
「一語の宇宙」では、1記事に1つの英単語を取り上げていきます。
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