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自慢話

 人間はやはり自分のことがかわいいから、何かしら自慢したくなるものである。

 しかし、誰もがそのすごさを認めてくれることを成し遂げたならば、いちいち自慢する必要はない。黙っていても、周りの人は褒め称えてくれる。それに加えて、偉業を成し遂げた人は、そもそも人に称賛されるために頑張ったのではなく、自分自身のやりたいことをやったに過ぎないから、自分の「偉業」をことさら自慢することはない。偉業を成し遂げたのに、本人は多く語らないから、周りの人は「なんて謙虚な人なのだろう!」とさらにいっそう称賛するようになる。


 万人が認めてくれるような偉業。たとえば、WBCやワールドカップで優勝するとか、ノーベル賞をとること。しかし、そういったものは、限られた人しか享受することができない。努力だけでなく、運にも左右される。そういった目立つことでなくても、縁の下の力持ち(unsung hero)的な偉業は、たくさんあるはずだけれども、表だって称賛はされない。
 何をやっても評価されないほうが普通だろう。


 他の人が普通にできることであっても、自分にとっては苦手なことを克服してできるようになったら、褒めてもらいたい。自分が満足ならそれでいい!という人もいるかもしれないけど、やはり褒めてくれる人がいたら嬉しい。


 普通に生きている人にとっては、生きていることは当たり前かもしれない。しかし、生きていること自体が苦痛な人もいる。他の人から見れば、何にもせずに「つらい、つらい」と言っているだけのように見えるかもしれない。しかし、生きることにつらさを感じている人は、どの瞬間も、「生きること」と「死ぬこと」との瀬戸際にいて、「生きること」を選択している。生きているだけで褒めてくれる人って、あまりいないんですよね。「ただ生きていること」は称賛に値しないのだろうか?


#HSP #自慢話 #称賛 #褒めること  
#エッセイ  

 

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