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短編 | 銀杏色の髪の女の子

 秋が深まってきた頃、銀杏のような黄色の髪の毛の女の子に出会った。仮にその女の子の名を「銀杏」を音読みして、「ぎんきょうちゃん」と呼ぶことにしよう。

ぎんきょうちゃん!

ぎんきょうちゃん!

今なにを考えているの?

「えっ、あたし? とくになにも考えていませんけど」

ほんとうに?なんか遠くを見つめているから、なにか悩み事でもあるのかな、と思って。

「いえ、ホントになにも考えていないんですよ」

そうかなぁ?なにか物思いに沈んでるようですけど。。。

「あの~静かにしてくれますか?私、今、忙しいんですけど」

忙しいって、なにが忙しいんですか?

「だって、私、あなたのことを全く知らないですよ。どう対処したらよいか、考えていたんです」

要するに、考え事でお忙しいと?

「はい、そうです。あなたは一体だれですか?」

名乗るほどの者ではありません。

「じゃあ、さようなら」

では、さようなら。



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