【その女アレックス】ピエール・ルメートル

※インスタに投稿した記事より、一部加筆修正してお届けいたします。

⚠️⚠️⚠️ネタバレ含みます‼️⚠️⚠️⚠️




　なんでしょうか、この感覚は！
　とにかく、強烈な本でした。そして、語弊があるかもしれないけど、面白かったです。

　そう、「面白い」という表現が、不謹慎で不適切と捉えられかねないほど、残酷な狂気が飽和した作品です。目を背けたくなるような惨虐な行為やグロ描写の連続ですが、スピーディに二転三転しながら駆け抜ける展開は、全く目を離す隙を与えてくれません。
　とは言え、上述した常軌を逸した行動と生々しい描写は、とても酷く心を打ちます。

　しかし、少しずつ判明していくアレックスの根底に潜む「悲しみ」に気付いた時、全てが切なく、殺人さえも同情に変換されます。人として、女性として、アレックスが過去に受けた仕打ちは、あまりにも惨過ぎます。
　だからこそ、成し遂げた計画的な復讐にスッキリさえしてしまう、不思議な読感が味わえます。

　もう一つ、サブストーリーでもある刑事カミーユの再生物語も読み応えがあり、彼の周りの登場人物もとても魅力的でした。どうやら、こちらのキャラクターがメインでシリーズ化されているらしいので、他の作品も読んでみようと思います。


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