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【2分で読める】キネステティクス®ってどんなもの? 6.キネステティクス®と看護・介護・介助

ピューシスでは、「セラピーが好き」「ボディワークが好き」「学びやアクティビティに熱い想いを持っている」という人のお話を聞いていきたいと思っています。

数回にわたってお届けする今回のテーマは、キネステティクス®についてです。

動きの分析ツールであり、自分が楽に動けるようになるだけでなく、介助の場面においては、介助する人もされる人も、両方が楽に動けるようになるというキネステティクス®
国内唯一の認定機関である一般社団法人キネステティクス・ジャパンさんでは、各地でコース開催など普及活動を行っておられます。

キネステティクス®とは、どのようなものなのでしょうか?
一般社団法人キネステティクス・ジャパンのマスタートレーナーのお1人でいらっしゃいます、渡邊康子さんにお話をうかがいます。

一般社団法人キネステティクス・ジャパンさんのホームページはこちら↓

キネステティクス®ってどんなもの?
6.キネステティクス®と看護・介護・介助


渡邊さん(以下、敬称略)
ピューシス(以下、ピュ)


ピュ:
キネステティクス®︎って何なのかな? ということをまず掴みたいなと思って、ホームページを見るじゃないですか。

渡邊:
はい。

ピュ:
すると、「ケア」とか「介助」の話が割と前に出ている印象を受けました。だから、最初の「ボディワークのひとつという認識でいいのかどうか」という問いになったんです。

渡邊:
なるほど。

ピュ:
実際、キネステティクス・ジャパンさんでは、「ケア」や「介助」に使えるという部分と、「自分の動き」という部分は、現場ではどんな感じなんですか?

渡邊:
ドイツの看護師がキネステティクス®が看護にとっても有用だと気付き、創始者と看護のための教育システムを開発しました。ヨーロッパ(ドイツ語圏)では看護教育にも五十年前ぐらいから取り入れられているんですよね。普通に、教育の中に組み込まれているんです。

日本でも創始者が「看護のためのキネステティクス®」の教育コースを提供し、2009年からはトレーナー養成コースも設けられました。

なぜ看護かというのは、やっぱり看護・介護の現場では、介助する際の身体の負担が大きく、腰痛など身体の不調を抱えながらも続けていて、なんとかする必要があったのだと思います。

そもそも、キネステティクス®︎は言語を使った教育システムなので、自分自身の動きも、自分自身の体のことも分かって、自分自身も楽に動けますし、相手の人に対しても、相手の人の動きの資源を使って、動きを援助できるっていうことなんですよね。そうすると、相手の人も自分の動きの能力に気づき、動けると感じることができるんですね。

自分自身も楽だし、相手も楽だし、しかも相手を一人一人違う動きの能力を持った「人」として扱って、その人の「人の機能」を引き出すような動きをするわけですね。

よく対比される、「ボディメカニクス」っていうのがあるんです。

「ボディメカニクス」とは介護者の身体的負担を減らすために力学を応用した考え方です。大雑把に言いますと、支持面を広くしたり、てこの原理を利用したり、介助される人をなるべく小さくまとめて(身体を小さく見せる動き)動いたら楽に動けるという考えです。

それも一つの考え方なのですが、介助される人はどうかというと、小さくまとめることで動きが制限され、本来、その人の使える身体の資源が使えていないかも知れないんですね。

ピュ:
はい。

渡邊:
キネステティクス®では、もしかしたらその人に骨とか筋肉とかがあって動けるんだったら、ちょっと動けるかも知れないと考えます。
相手と、どういう関係性を取りながら動きを学習していくかっていう、「インタラクション」という概念があるんですけど、相手とどういう関係性を持って、「その人が学習していけるようになるにはどうしたらいいか」を考えていきます。

ピュ:
介助される側の人が体験して学習していく。

渡邊:
そうなんです。ただ介助されるんじゃなくて、介助される中で自分の動きを学習できる。
今まで若い頃と同じ動き方しかしていなくて「動けなくなった」って言ってる人を、うまくキネステティクス®︎の概念を使って介助することで、新しい動きを、介助者と一緒に動くことで学習できるんです。
そこが大きな違いかな、と思いますね。


次回は 7.健康に直結する介助と高齢者コース です。

前回の記事はこちら↓

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