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書店員さまが選ぶ! 当店のイチオシ

『道をひらく』松下幸之助
エディオン蔦屋家電 吉田泰則さま
取材・文=西部書店普及部 西部書店普及課 北野裕士

当店はJR広島駅南口からすぐにある家電、書籍、雑貨、文具を扱い、飲食テナント等も入る複合店舗です。
ターミナル立地ということで、仕事帰りのお客さま、出張中のスーツケースを持ったお客さま、乗り換えの学生さん、近隣住民の方、マツダスタジアム方面へ向かうカープのユニフォーム姿の人など、さまざまなお客さまにご来店いただいております。
ただ、一般の書店と違う点は、家電を販売するスタッフと書籍を販売するスタッフが、同じ制服を着て同じフロアにいるということです。家電を目的に来店されたお客さまへ、話の流れで探しているタブレットの使い方がわかる実用書をご用意したり、話題の新刊をお探しのお客さまに対応した際、「じつはエアコンが壊れて……」というお話をいただいて、そのままエアコンのご案内をすることもあります。
今回、私がお勧めする書籍は『道をひらく』です。松下幸之助さんの代表的な著書で、いまさらお勧めも紹介も必要ありませんが、当店との関係は少なからずあり、2018年からオリジナルカバーで展開することになりました。
2018年は松下電器産業創業100周年であり、家電販売店としても商品展開に力を入れている年でした。店舗入り口に生活家電の大きなフェアを展開しており、『道をひらく』を販売する絶好の機会でした。
そこで、家電販売のスタッフも含め、全館でお勧めし(文字どおり、家電接客からお勧めし)月間100冊以上の販売をすることができました。
『道をひらく』は当社の新入社員研修にも使用されたことから、スタッフの買い直しや、オリジナルカバーだからと関係者が購入してくれたりと、販売員の愛着と熱量も、大きく販売に貢献したと思います。
以来、普段書籍を手に取られないお客さまにお選びいただいたり、老若男女問わず贈り物としてもご好評いただいております。現在も年間150冊ペースでの販売を続け、当店に欠かせない書籍となっております。不易の書籍であること、PHPさんからのご提案もあり、タイミングや条件もいましかないと思い、オリジナルカバー作成にチャレンジしてよかったと思います。
「商売の尊さ 世間の人が求めているものを、精いっぱいのサービスをこめて提供してゆくのである<中略>人びとに喜んで受け入れられ、それにふさわしい報酬も得られるはずである」(P.169)
最初に書いたように、書籍以外のさまざまな目的で来店されるお客さまが多くいらっしゃいます。松下幸之助の言葉を書籍販売に置き換え、真摯に本を選ばないといけない、と思う今日このごろです。

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