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スピーキング力を上げるためにはスピーキングの練習をするべきなのか?

はじめまして。Phoebeです。英米文学を学ぶ修士課程の学生です。
私は、とある英会話教室で講師をしています。講師をする中で、気が付いたこと、自分の実践した効率の良い勉強法などをnoteでシェアしたいと思います。今回は、生徒さんを見ていて、勉強法に関して特に困っている方が多いと思ったスピーキングについて書きます。


余談ですが、在日カナダ人のパートナーが日本で体験したことを別のnoteで書いています。記事は、日英の両方で書いてあり、語彙の解説をつけた記事もあるので、英語勉強中の方はぜひ覗いてみてください。


スピーキング力をあげるためにはスピーキングの練習をするべきなのか

おそらく、スピーキング力(英会話能力)をあげたいと思った人が一番に思いつくのは、オンライン英会話をはじめる、知り合いの英語話者と話すなど"とにかく話す練習をする"という事ではないかと思います。しかしながら、この方法をあまり良いとは言えません。なぜなら、スピーキングスキルに必要な能力をスピーキングの練習自体から習得することは難しいからです。
では、スピーキング能力に必要なスキルとは何なのでしょうか。次の項で詳しく見ていきたいと思います。

スピーキングに必要な能力

これはどの言語でも同じかと思うのですが、その言語で話すためには、まず、文章を自分の頭の中で組み立てることができる必要があります。
では、文章を組み立てることができるために必要な要素とは何でしょうか。(逆に考えると、文章は何によって組み立てられているのでしょうか。)
まず一つ目の要素は、語彙です。文章を組み立てるのに必要なだけの言葉を知っている必要があります。(日本語と同程度の語彙を知っている必要はありません。でも、自分の言おうとしたことを簡単な言い方で言い換えることができる程度には知っておく必要があるのではないでしょうか。)
二つ目は、文法です。どんな順番で語彙を並べるのか、こういう表現のときはどんな文法を使うのか、これを知っていないと、単語を並べるだけになってしまいます。それでも伝わるかとは思いますが、やはりフルセンテンスで話す方が伝わりやすいでしょう。
もちろん、たくさん会話を繰り返すなかで、これらの要素を帰納法的に身に着けることも不可能ではないかと思いますが、それにはとても時間がかかります。どのようにしたら、語彙と文法を鍛えることができるのか、以下の2項で解説したいと思います。

「これ、英語でなんて言うの?」を減らすには

まず一つ目の方法は"辞書を引きながら文章を書くこと"です。語彙や文法の力が充分でないまま英語を話していると、「これって英語でなんて言うんだろう」と思うことが良くあるかと思います。これを克服するためには、事前にその語彙や表現を調べて知っておかなくてはいけません。
そこで、役立つのが、辞書*1を引きながら文章を書くという方法です。週に2回程度で良いので英語で120~180words程度文章を書くようにしましょう。(これは目安なので、無理のない範囲で良いです。)。その中で、必ずわからない単語や表現が出てくるはずです。そこで、辞書を引き、(それでもよくわからない場合は)インターネットを調べます。これを繰り返すことで語彙や決まった表現、英語的な表現が徐々に身についていきます。とにかく「これなんて言うの?」→調べて解決を繰り返すことが大事です。
書く内容は何でも良いですが、日記だけだと単調になりがちなので、見た映画の感想と要約、ニュースに対する意見や要約、何かに対する自分の気持ち、など色々テーマを決めて書くことをお勧めします。
また、紙に書くのではなく、スマホやPCで入力しgrammarlyなどで、スペルミス、冠詞の抜け、前置詞の間違いを確認するとよりよいかと思います。

*1 辞書は、紙でも電子辞書でもインターネット上の辞書(weblioなど)なんでもいいです。単語帳はだめです。最低限の用法しか載ってないからです。

精読のすすめ

二つ目の方法は、精読です。精読とは、細かいところまで注意して読むことです。つまり、単語の意味や、文法事項を確認しながら、読み飛ばさず読むということです。特に注目すべきは、以下の項目です。
①知らない単語
②代名詞
③文の構造

①については、わからない単語に出会ったら辞書*1を引き、どの用法で使われているのか確認しましょう。
②は、it,they,thatなどの代名詞が出てきた際は、文中のどの語を指しているのか明らかにしながら読みましょう。
③については、主語、述語、目的語など、語と語の関係を明らかにしながら読みましょう。すべての文においてそれを行う必要はありませんが、自分がわかりにくいと思った文について、文章がどういう構造になっているのか確認することで理解が深まります。

これらの3点を行うことで、英語の文の構造になれるとともに、語彙や文法知識を増やすことができ結果的にスピーキングに必要な能力を得ることができます。3つすべて行うのが大変すぎる場合は、まずは①だけでも良いです。慣れてきたら、②、③も徐々に行っていきましょう。

とにかく、自分のレベルに合った読み物をじっくり、辞書を引きながら読むことが大事です。テキストは、英語多読本や学習者用のニュースサイトなどを使いましょう。初めのうちは、いきなりネイティブ用のニュースを読むと難しすぎるので避けた方がいいかもしれません。

これも、量が多すぎると続かないので、20分から1時間程度でできる量にしておきましょう。1つのテキストを何回かに分けて読んでも良いです。


*1 辞書は、紙でも電子辞書でもインターネット上の辞書(weblioなど)なんでもいいです。単語帳はだめです。最低限の用法しか載ってないからです。

いざ出陣

これらを何回か繰り返したら、並行して実際に話す練習も行いましょう。オンライン英会話などを使って英語話者と会話をしてみます。
この時、毎回、上述の勉強をする中で身につけた単語やフレーズの中から、2.3個"使えそう"、"使ってみたい"という単語ものを選んでおいてください。そして、会話の中で意識をしてそれらの単語を使うようにしましょう、実際に使うことで覚えることができますし、間違った使い方をしていたら、指摘してもらうことができます。

スピーキング力を上げるための勉強法

以上が私の思う、効率の良いスピーキングの練習方法です。スピーキングスキルを上げるためには、書く、読むの作業を行い単語を覚え、文法に慣れることが必須なのではないかと思います。
無理のない範囲でこれらの練習をバランスよく行うことで、スピーキング力の向上につながります。ぜひ試してみてください。

次回は

この次は、スピーキングと同じくらい質問の多い以下のことについて書きたいと思います。
・発音は本当に大事なのか~多様な英語と発音よりも大事なこと~
・語学の上達が早い人の特徴~モチベーションを保つには~
・たくさん英語を聞けばリスニングはできるようになる?

また、私は英語を学ぶことは異文化に触れる事だと思っています。その観点から、英語学習には直接関係がないですが、英語を学ぶ上で考えてみてほしい以下のことについても書きたいと重いっています。
・「ポカホンタス女」「外国かぶれ女」という揶揄について
・留学中の「英語を勉強しに来たんだから日本人とは話さない」は正しいか
・英会話である以前に"会話である"ということ

書きたいことがたくさんありすぎて、いつになるのかかわかりませんが、一度自分の考えを文章にまとめたいという気持ちがあるので少しずつ取り組んでいけたらと思います。


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