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音色の個性。

 363回目です。φです。

 今日は食料品の買い出しに行ったのですが、「え?うっそだぁ」と思う程賑わっていました。緊張感ってなんだっけ…。

 流行りの「密!」を発動しようかと思う程。あのタイミングで密、という指示を出した小池さん、なかなか印象に残って良かったんじゃないかな、と私は思います。テレビに映る人がやるのとやらないのでは、印象というもの、危機感というものは変わってきます。まぁ、どう捉えるかにもよるけれども。

 前回買い物に行ったのっていつだっけ、と振り返ると、1週間くらい前。あっという間に時間って過ぎるんですね~地味にやることが多いのでしょうね。多分。

 コロナが騒がれ出してからというもの、毎日蓄積されるSから始まってSで終わる、スで始まってスで終わる名詞を聴き続けているのですが、聴くたびに「終息したら逃亡だー!」と私の心の中で燃えるものがあります。燃えてるぜ…!

 毎日燃えてたらそのうち燃え尽きそうなので、程々がいいんでしょうね。よし、程々燃えよう私。

 さて、今日はヴィオラを弾きながら燃える心を鎮火させたのですが、そのときに感じたことについて書こうかなぁ。音楽と個性、というか。


 音楽を長くやっている方。聴くだけでも、実際に演奏するでも、どちらでも該当するかと思います。「この人じゃないと奏でられない音色」を感じませんか?

 私は20年近くピアノのレッスンを受けていましたが、最初10年くらいはグループレッスン、残り10年は個人レッスンを受けていました。それからは自分の趣味でやっています。

 ピアノのグループってなかなか面白いんですよ!エレクトーンメインになるのですが、音と音を重ねて組み合わせて、ピアノの音の世界ってこんなに広くなるんだ!と私は幼いながらに思いました。まぁ、3歳から始めたので12歳くらいでやっと分かった感じですが(笑)

 未だに覚えているのが、「オルゴール」という曲。YouTubeで探しても、「ピアノ曲のオルゴールver」しか出てこなくて、「どうやったらいいの…?!」と非常に悩んでいます。毎年春くらいに聴きたくなるのだけど、この無限ループですね!見つからないよ曲が!(笑)

 3人で弾いた曲ですが、あれが最後のグループとしての曲だったなぁ。同期がやめちゃって、最終的に同期1人と先生、そして私の3人での演奏。

 なぜか、私と同期の子、自分のパート以外も全部覚えてたんですよね。だから「そうだ今日はこっちのパートにしてみよう」みたいに、担当変えて弾いていました(笑)

 そこで思ったのが、自分と他の2人の音の違い。同じ楽譜を見て、同じように演奏しても、「私が弾いた時の音じゃない」と感じました。音が違う。もちろん、フォルテをフォルテッシモにした、くらいじゃない違いがあるんです。

 担当を変えたその日、私はそう感じて、それから「自分以外の音」に興味を持って。それからのレッスンで、「この音はこのパートにぴったり!」と思ったり、CDなどで曲を聴くと「これ、あの子が弾いたら似合いそうだなぁ~」と思ったり。曲調と、その人ならではの音の関係を考えるようになりました。

 グループレッスン、最後私だけになってしまって、グループは解散。それから私は個人レッスンを受けることになりまして。

 出会った先生が、「その人の持つ音」を大事にする先生でした。本当にいい先生に出会ったなぁ、と今でも思います。中学生になるから先生とはお別れしましたが、未だに年賀状を送るくらいに大切な方です。地味に近所に住んでいるのが何だか面白い(笑)

 その先生が、「この曲はφにぴったり!」という曲をレッスン以外でも教えてくれて、本当に私はその曲を知ること、弾くこと、聴くこと、全部が大好きでした。私が好きじゃないカデンツの練習が続いていると、曲持ってきてくれたんですよね…ハノン、バイエル、あああ嫌な思い出が…。

 その先生と初めて会って、一曲弾いてみて、で弾いた後。「澄んだ音。これはφにしか出せない。」と言ってくれたんですよね。あの先生のときが一番熱心に練習したものです。受験勉強中もずっと弾いていて、レッスンにも通い続けました。悲しい日も楽しい日も、ぜーんぶピアノで気持ちを表現していましたね私。わぉ芸術家(笑)

 その先生の奏でる音楽は、パワフルで、チャーミングで。子馬が跳ねるみたいな音色でした。私とは正反対な音で、羨ましいときがたくさんありました。あの軽やかさを出せる人を私は先生以外知りません。

 次に出会った先生は、ジャズがすごく好きな先生で。まったりとした優しい先生でしたが、ジャズのときはキレッキレで、ピアノなのにサックスが混じっている風に聴こえる音色。私もジャズやりたい!と思って挑戦しましたが、いやぁ全くもって向かなかった!(笑)

 さて、それからはYouTubeでピアニストを調べまくって、音を聴きまくって。「この曲はぴったり!」「ううむ、もっとスラーが多い短調の曲が似合うのになぁ」とか。純粋なピアノの技術以外を知ることが好きになりました。技術はどれもこれもハイレベルだからね!ほんと!

 私はピアノという楽器の音色について書いています。人間なら「声」に個性があるから、「この声とこの曲調は、」と考えることが多いかと思います。声は似ている人はいるけれども、完全一致ではない。

 しかしながら、楽器は音色は同じなのです。大きさや品質、作られた年代によって若干の違いは楽器ごとにあるけれども。それを除いて、同じ1つの楽器を使っても、音色って奏でる人によって違ってくるのです。不思議でしょ?

 同じ楽器。同じ楽譜。ただ異なるのは「奏者」だけなのに、それで音色は全く違う。個性があふれているんです。

 多分、自分が好きな曲調に自分の奏でる音は似ていると私は思います。まぁ感と経験に基づくけどね!私の!(笑)

 もし楽器を始める、楽器に飽きてきた、音楽に興味を持った。ちょっと音楽に目を向けるタイミングがあったら、「この人じゃないと奏でられない音色」「自分だけの音色」という面で見てみてほしいなぁ。きっと新しい何かを手に入れることができます。それは本当に素敵なものだと思います。

 芸術には定義があります。文字の定義だったり、概念の定義だったり。けれど、芸術にリミットはないのです。人の数だけ芸術があって、思いの数だけ芸術があって。芸術はなくても生きていけるかもしれないけれど、与えてくれるものはたくさんあると私は思います。

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