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「昔話の食卓」を読んで。
621回目です。φです。
今日は図書館の本を返却すべく、読書の時間を取りました。夜の15分ずつ読んでいた本を一気読み。
興味深いタイトルだったので、思わず借りてしまった「昔話の食卓」。
内容の説明は「昔話はおいしい。フランスを知りつくした著者が送る美味なるエスプリ。」ととてもシンプルですが、その通りでした。
フランスだけではなくドイツのことも書かれていたり、ちょっとだけイギリスも出てきたり。まぁ中世ヨーロッパはごちゃっとしているので、文化や物語、食べ物が似ていることは至って普通だと思います。
国境線近くだったらどっちの国の文化も取り入れていたりする。とても興味深い。
さてこの本、「おいしい」だけではないのが面白いところ。今の時代でレストランやカフェで出されたら「え?」ときょとんとしてしまいそうなものまで紹介されていて、時代と食の関係を知ることは気軽に歴史を学べるきっかけになるかも、と思いました。
意外なところで歴史と関係しているものもあるので、興味ある方はぜひ調べて下さ~い!
さて、この本ではそこまで歴史には書かれてはいません。物語、のものたちですから!
この本で紹介される物語はとても有名なものです。白雪姫、シンデレラ、赤ずきんちゃん、などなど…面白い切り口で紹介されているので、物語の新しい見方を得ました。
例えばシンデレラだったら、かぼちゃの馬車のかぼちゃはどんなものだったかとか。当時はどう調理されていたのかとか。そこから派生した当時の野菜の種類…とか。
全部空想じゃなくて、当時の存在していたものがちゃんと描かれていることに驚きます。食器とかも然り。
物語を読んでいて、ちょっと気になること、それが解明される気分になる。私の場合、ヘンゼルとグレーテルのお菓子の家は本当にお菓子の家だったのか、という疑問が晴れました(笑)
もちろん、物語のお菓子や食べ物の完全な正解を見つけることは難しい。それを描くこと自体は物語のストーリーには関係していないし、作者が明確にしていなければ誰にも分からない。ご本人はもういらっしゃらないので!
じゃあ明らかにしたところで、考えたところで意味はないんじゃ。そう思うかもしれませんが、物語というのは非常に奥深い。子どもの頃には素直に読めたものだって、大人になって読むと地味なところで「なんだろう?」と思うこともある。食べ物に関しても、疑問になる部分はあるかと思います。
つい最近、私は洋書で物語とかを読み「そういう表現だったんだ!」と物語の面白さを改めて知りました。そして今回、「そうだったんだ!」と再び思った。古くから親しまれ愛されている物語というものは実に奥深い。何度でも楽しめるし、時間を空けることで楽しさをまた見つけることだってできる。
捻くれた私からして面白かった点は、「中世ヨーロッパ貴族とか憧れる人多いけど、これだったら現代人の方が優雅」と思えた点です。まぁ生きることに関しては、現代人ほどパワーがなくても生きていけるものはありませんが…おそらく。別の面では大変な時代ですけどね。
当時の貴族や農民、とにかく生きている人。まぁすさまじい。フランスのお食事…と耳触りが良いものだとは思いますが、フォークなんてなかったし。ナイフでぶすっと刺して、他は素手でひっつかんで食べる。綺麗なテーブルクロス?食べて汚れた手を拭くためです。
北に行くに従って食べ物はないし、保存食メイン。塩漬けて香草まぶせばOK食べられる、そんな感じです。パンだってバゲッドにクロワッサン…ではなく、カンパーニュとかどっしりしたパンをぱっさぱさになるまで食べる。ぱっさぱさになったらスープにin。
さて、中世ヨーロッパにタイムトリップできると言われたら、いかがでしょう行きますか?(笑)
私は面白そうなので行きたいかなぁ。ハンティングしてみたいなぁ。豪快に!
色々な想像ができる本に出合えました。もしご興味あれば、昔話の食卓をぜひぜひ見つけて読んでくださいね~。
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