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「ポルトガルの海」を読んで。

666回目です。φです。

なにこの不吉な数字。何か召喚できそうですね(笑)

さて、先日は雪が降りました。暖冬が地球温暖化の証でもあったのだけど、日頃雪の降らない九州でも大雪、というとこれもまた地球環境が変わってきていることを意味しているようで、なんとも不気味なものです。

私は単純に「わぁ雪だー!」と窓越しに雪を楽しんでいますが。指、また霜焼けになりそうですが。

受験シーズンなので、これが受験生たちに大きな影響を与えなければいいな、と思います。なぜこの時期に受験なの、といつも思いますが、どうぞ受験生のみなさまは体調に気をつけて、実力を出してくださいね~!

あと、受験に成功しても失敗しても、それは人生においてただの経験になるだけです。そこからの分岐点は、自分自身の行動によって変わってくる。受験に成功したからといって、人生が成功するわけではない。逆もまた然り。

受験後ってなかなか悲しいニュースを耳にするものだから、ちょっと書いておこうと思いました。大丈夫、割と「受験成功したね!」と言われまくった私ですが、まぁ仕事においては成功と言われたことはありません!でも生きてる!受験なんて通過点だからどうなっても安心して!(笑)

色々あってこそ人生は楽しいのです。そうやって人間が成長していって、自分らしさを見つけていく。楽しくいきましょ。

さて、今日は私にしては珍しい本を読みました。フェルナンド・ペソアの「ポルトガルの海」。

ポルトガルの「知性派の抒情詩人」「現代人の「無力」をその根源まで見抜き、詩に定着させた作品」、と本の説明に書かれてあります。正直、その通りでしたーとしか私は書けないかもしれません(笑)

ちなみに、抒情とは「叙情(抒情、じょじょう)について、大半の国語辞書では「感情を述べ表すこと」を指し、叙事(事実を述べ表すこと)の対義語とされるが、各分野に於いて若干意味合いが変わる。広義では非常に感慨深い様子、対象に対して情緒溢れるものを感じること、胸が締め付けられるような切なさを超えた深い感動を指すもの。」だそう。Wikipediaさんにお尋ねしました。

なんとなく、この単語が当てはまるかな?と思いました。サウダーデ。

そうそう、ポルトガルってサウダーデ(saudade)の国、と言われるのです。この詩人ことフェルナンド・ペソアもポルトガル出身。それが詩人としての彼に影響を与えたのかもしれませんね。

なぜ急にポルトガル。と思うでしょう。実は洋書のセールで買った本が英葡会話辞典でして…ぱらぱらめくっていて、少々ポルトガル語に私は親しみを感じているからです。あとテレビで観たポルトガル食品・お皿バイヤーさんのプロフェッショナルな姿がかっこよくて(笑)

まぁ英語の旅用会話集も持ってないし、ラテン語派生の言語って知らないし、よーし買っちゃえ、というのが買った理由です。メジャーなスペイン語よりもマイナーなポルトガル語の方が知りたかったんですよね私。ポルトガル語知ってからスペイン語を知ると随分と学習がはかどるという噂も耳にしたので。ちょっとくらい知っておきたい言語なんですラテン語派生の言語として。

それはさておき。

本を読み終わった後、実に心が静かになったことが印象的でした。どの言葉も力強さとはかけ離れたものだったから、かもしれない。良い意味で。

生きることを嘆く、というものでもなく。ただ海を見つめて、淡々と語っているような穏やかさと切なさ、に隠された深い心に触れたような言葉の数々でした。自然の美に対する意識が印象的。なんとなく、日本の自然観に似ているような気がしないこともない。あるがままを愛するというか、その壮大さに比べると人間がちっぽけな存在であることを感じさせられているんじゃないかなぁと思わせる詩。

言葉はシンプル。けれど、余韻があって、綺麗で純粋な心の持ち主からの言葉。…と、そこまで純粋でもきれいでもない心の持ち主こと私は思いました(笑)

哲学的であるけれど、哲学程のパワーはない。けれどただの詩として接するには哲学的。と私は感じたけれど、そんなことよりも印象に残ったのは無力さを受け入れている姿。詩にはそこまで親しみがない私ですが、これは原文で読むか、日本語で読むよりはニュアンスとして少しでも近い英語で読みたいと思いました。

”言葉の余韻に浸りたい”と思う方にぜひぜひおすすめしたい。鮮やかさとかはない、けれど美しい心を感じさせる本。

これを機に、ポルトガル文学に手を出してみようかな。

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